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ルール・クイズ - 【204回】サヨナラゲーム???

【204回】サヨナラゲーム???

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2015-10-7 0:05
こんにちは。
濱野です。

イブニングセミナーに足を運んで下さった方、有難うございました。

毎回セミナーが近づいてくると追い詰められた気分になります。
私の場合はパワーポイントのスライドも他人は作ってくれないので、自分で全てやります。前準備として必要な映像なども探してこないとなりません。探してきたものを使えるように編集することも必要です。自分の思い込みで皆さんに誤った知識を与えてしまうのが一番悪いことですから、資料も再確認、精査します。

他の業務も(それほど多くはないですが)あるわけで、事務所に居る時間帯では、当然終わらないので電車の中でもタブレットで作業、更に自宅に持ち帰り息子が寝てから再開すれば連日深夜になり、「セミナーなんてやめときゃ良かった」なんていう気分にもなるのですが、当日になって多くの方にご来場頂き、私のマニアックな話を興味深そうにお聞き頂く様子を目の当たりにすると、ようやくホッとします。

このような地道な活動を行うことこそ、我々が行政に「NPO法人格」を与えられている意味だと思うので、今月も頑張ってやります。

という訳で、次回の東京イブニングセミナーは10月27日(火)です。今回は勤労福祉会館ではなく、三田いきいきプラザで行いますので宜しくお願いいたします。

何らかの事情で来られない方、地方の方にはE-Learningを用意しておりますので、こちらも宜しくお願いいたします。



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■クイズ204(エキスパート)■

先日の名古屋のセミナーでも、9月の東京のセミナーでも取り上げて大変に盛り上がった題材です。

下記の映像の状況は、
・ダイヤモンドバックスとレッズの試合、ダイヤモンドバックスがホーム。
・十回裏、一死満塁。同点。
です。



問1)この映像中の出来事の問題点を、列挙して下さい。
問2)最終的にはどのような裁定にすべきだったでしょうか?

この裁定について、ジム・エバンスもMLBから意見を求められたそうです。

○●前回の回答(久々に時事ネタ)●○

時事ネタも回答が遅れれば、時事ネタでなくなってしまいますね。

どちらも(ベースボールの世界では)ボークではない。
でした。

-------------------------------------------------------------
8.05 塁に走者がいるときは、次の場合ボークとなる。
(a) 投手板に触れている投手が、投球に関連する動作を起こしながら、投球を中止した場合。
【原注】左投げ、右投げ、いずれの投手でも、自由な足を振って投手板の後縁を越えたら、打者へ投球しなければならない。ただし、二塁走者のピックオフプレイのために二塁へ送球することは許される。

(b) 投手板に触れている投手が、一塁または三塁に送球するまねだけして、実際に送球しなかった場合。
【注】投手が投手板に触れているとき、走者のいる二塁へは、その塁の方向に直接ステップすれば偽投してもよいが、一塁または三塁と打者への偽投は許されない。投手が軸足を投手板の後方へはずせば、走者のいるどの塁へもステップしないで偽投してもよいが、打者にだけは許されない。

(c) 投手板に触れている投手が、塁に送球する前に、足を直接その塁の方向に踏み出さなかった場合。
【原注】投手板に触れている投手は、塁に送球する前には直接その塁の方向に自由な足を踏み出すことが要求されている。投手が実際に踏み出さないで、自由な足の向きを変えたり、ちょっと上にあげて回したり、または踏み出す前に身体の向きを変えて送球した場合、ボークである。投手は、塁に送球する前に類の方向へ直接踏み出さなければならないが、踏み出したからといって送球することを要求されてはいない(一塁についてだけは例外)。

(h) 投手が不必要に試合を遅延させた場合。
【原注】本項は、8.02(c)により警告が発せられたときは、適用されない。投手が遅延行為をくり返して8.02(c)により試合から除かれた場合には、あわせて本項のボークも課せられる。8.04は、塁に走者がいないときだけ適用される。


【8.05原注】ボークルールの目的は、投手が走者を意図的に騙そうとするのを防ぐためであることを、審判員は心に銘記しなくてはならない。もし、審判員の判断で投手の“意図”に疑いを抱いたら、審判員は厳重に規則を適用すべきである。

-------------------------------------------------------------


さて、炎上覚悟で今回のU18の決勝戦での出来事を取り上げました。

私が強調したいのは、今回のU18大会は、ホスト国は日本ではありましたが、行われたのは「野球」ではなく、「ベースボール」だったということです。国際大会では「ここは日本だ!」は通用しないのです。

まずは、オコエ選手がアウトになった左投手の一塁牽制から考えてみたいと思います。これを「ボーク」と考える方の根拠で一番多いのは最後の原注の「目的は、投手が走者を意図的に騙そうとするのを防ぐため」というフレーズでしょう。

然し、このフレーズを強調し過ぎると、審判員が恣意的にボークの宣告ができるようになり、「牽制球に走者が引っかかった場合は全てボーク、何故なら騙そうとしたから」という理屈も成立してしまいます。審判員は野球における裁判官です。刑法でいう「罪刑法定主義(犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則)」が野球の審判の判定についても当然求められます。

「何でボークなんですか?」という質問に対して「騙そうとしたから」だけでほ説得力がある回答とは言えません。今回は日本の選手がアウトになったから感情的になって訳もわからず「ボークだ!」と言っている方が多いように思います。

理性的な方は、8.05(c)をボークである理由に挙げるでしょう。

日本では、この8.05(c)が文章の字面通りの解釈がなされているのですが、では、その字面通りの解釈で足を本当に直接その塁の方向に踏み出しているつもりでも、本当にそうでしょうか?

例えば、投手の出した足の角度が一度ずれていれば、それを延長すると、投手板中央から約18メートル先の一塁ベースでは、高校で教わった三角関数で計算すると、18メートル*sin(1度)≒18*0.0174=0.314なので、ベースの中央から31.4cmのところを足の延長線は指している事になりますし、5度ズレたら、18メートル*sin(5度)≒18*0.0871=1.5688なので、約157cmもベースからずれたところを指している事になります。

恐らく投手の足の向きが5度ずれていたとしても、審判の目にはまっすぐに見えると思いますが、このようにズレています。本当に直接その塁の方向に踏み出すのは難しいのです。

そこでベースボールの世界では、おおよそ塁間の半分よりもその塁の方向に足が向いていれば、直接塁の方向に足を踏み出したものと解釈されるのです。日本の解釈よりかなり緩いです。つまり、ベースボールの解釈では米国のプラット投手の牽制は8.05(c)に違反しているとは言えません。

また、「始動するときに腕から動いているから、8.05(a)に抵触する」という方もおられましたが、牽制球を投げる際も、投球する際も腕が動くのは当たり前で、腕が動いたことが投球動作の開始との解釈はできません。

また音声で「膝が入りこんだ」との解説がありましたが、8.05(a)【原注】で問題とされているのは膝ではなく、足ですからこの原注の文章にも抵触しません。

何処から見てもこの牽制はベースボールの観点からは合法でボークではありません。それよりも、私は「オコエ君、退場にならなくてラッキーだったね」ということを思いました。両腕を上に挙げる行為は明らかに審判を馬鹿にしたものであり、警告なしの退場の対象となり得ます。

次にジェファーソン投手の二塁へステップしただけの動きについてです。日本のルールブックには【注】があります。8.05(b)【注】に「その塁の方向に直接ステップすれば偽投してもよい」とあります。この「偽投」という言葉がときに誤解を生んでいるようです。「偽投」というのですから、「投げる真似、すなわち腕を振る動作が必要だ」という解釈をしている団体すら存在するようです。ですから、日本の投手は二塁に投げない場合、必ず腕を振る動作をします。

しかし、ベースボール本国での解釈では二塁は「ステップをしても、投げても投げなくてもどっちでも良い塁」です。腕の振りは要求されていません。ジェファーソン投手は投手板の後方に自由な足を置いたので、正しくステップしました。その後に日本の投手が行う腕を振る動作が無かったので、単に見慣れないため「挙動がおかしい!あれはボーク!」という言説が蔓延してしまったのでしょう。

このような国際大会の度に私が思うのは、ベースボールがホーレス・ウィルソン(Horace Wilson)により日本に紹介されて、143年経ちます。
143年という年月が、ベースボールがあたかも日本で発祥したスポーツのように我々を勘違いさせてしまうのではないでしょうか?

ベースボールは、残念ながら間違いなく米国で生まれた競技であり、143年という歳月と言語の壁で「野球」は少し違うルールとなってしまっています。

東京オリンピックで、野球が五輪競技となりましたが、厳密に言えばそこで行われるのは「ベースボール」であるはずです。WBCで二回チャンピオンになりましたが、ここでもう一度謙虚になって、野球とベースボールの違いを整理して理解していないと今回のように不利にもなるし、場合によっては選手が怪我をします。

また、野球のルールをベースボールのルールに組み込ませたいのならば、彼らの言語できちんと主張ができなければなりません。野球の審判を志す人はこれからは英語から逃げることは許されないのでは無いでしょうか?

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

濱野でした。

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