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ルール・クイズ - 最新エントリー

濱野です。
あけましておめでとうございます。

プロ野球選手の正月はキャンプが始める2月だと言われることがあります。しかしアマチュア野球が本格的に始まるのは3月ですね。ホームページの「質問箱」にもポツポツと投稿が入り始めて来ました。というわけで、オフシーズンだったこのコーナーも本日再開です。

このコーナーを再開するに当たって、皆様にお願いしたいことが二点ございます。確かにここの欄はインターネットで皆様に自由に見て頂けるように公開しておりますが、文責も私が負う代わりに権利も放棄はしておりません。先日、ある会員さんから「ウチの団体の審判講習会でルールの筆記試験があったのですが…分からない問題があるので教えてください」と言われ、見てみると問題文から選択肢まで全て私がここの欄に書いた文章そのままでした。引用するなとは言わないですが、その際はinfo@umpire-dc.orgまでご一報下さい。

第二に散発的にこの欄を読むだけでなく体系的にルールの勉強をして頂きたいということです。

ついに販売開始いたします。第一章「打者と打者走者」という大きな括りだけで5時間以上話しています。価格は4,500円(UDC正会員の方は3,500円)です。このeラーニングのシステムは受講開始から半年間は何時でも受講頂けますし、受講のための交通費がかかりません。パソコンだけでなく、タブレット、スマートフォンでも受講いただけるので、電車通勤をされている方は、通勤時間がルールの学習時間にして頂けます。

ジムのクリニックもそうでしたが、どうしても我々の活動が大都市、特に東京圏に集中してしまい地方の方には申し訳ない思いでいっぱいでした。しかし、我々にも自腹を切って地方に活動を広めに行くための資金もなく、知恵を絞り、株式会社キバンインターナショナル様のご協力を頂いて開講に至りました。

宜しくお願いいたします。



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■クイズ186(ビギナー)■

お電話で頂いた質問です。雨の中の試合で、グラウンドがぬかっている状態でプレイされていました。一死走者一塁三塁。打者はライトフライを打ち上げました。一塁走者はそのまま、三塁走者はタッグアップ。右翼手からの返球よりも三塁走者が早く本塁に触れました。三塁手が「タッグアップが早かった、ボールをよこせ!」と言ったのですが、ボールを持っている捕手には聞こえません。送球が濡れた地面に触れてしまったので、捕手は球審にボールの交換を要求しました。球審はタイムをかけて新しいボールを捕手に渡しました。次打者が打席に入って、投手が投手板についてから球審はプレイを宣告。投手は三塁にアピールのため送球しました。さて、このアピールは認められるでしょうか?
審判がとるべき正しい処置を考えてみて下さい。

○● 前回の回答(出題者の意図は?)●○
正解は
打者走者に二塁を与え、走者二塁で再開
でした。

----------------------------------------------------------------
公認野球規則
7.05次の場合、各走者はアウトにされるおそれなく進塁することができる。
(g)二個の塁が与えられる場合-送球が
(1)競技場内に観衆があふれ出ていないときに、スタンドまたはベンチに入った場合。
この際は、ボールデッドとなる。
審判員は2個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわり、打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者の位置、その他の場合は、悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。
【付記】悪送球が打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づくものであっても、打者を含む各走者が少なくとも1個の塁を進んでいた場合には、その悪送球が内野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。
----------------------------------------------------------------

上記7.05だけでなく、「投手の投球当時」という重要なキーフレーズが野球ルールには頻繁に出てきます。公認野球規則は、この「投手の投球当時」がいったい何時なのか厳密には定めておりません。「投手の投球当時」なのだから、「投手がボールを打者に投げたとき」以外の解釈はできないはずではあるものの、米国のアンパイアマニュアルには以下の記述があります。

----------------------------------------------------------------
The time of pitch is defined as the moment the pitcher's movements commit him to deliver the ball to the batter.

In a windup position, this is defined as the moment the pitcher begins the natural movemant associated with his delivery of the ball to the batter(i.e., the start of his windup or delivery).

From a set position, this is defined as the moment the pitcher begins the natural movement assciated with his delivery of the ball to the batter after the pitcher has come set with both hands together in front of his body.

A runner who advances while the pitcher is in contact with the rubber is considered to occupy the base last touched at the time the pitcher initiates his actual pitching motion to the batter. The pitching motion is defined as any movement which commits the pitcher to deliver the ball to the batter.

As long as the pitcher is not committed to pitch, a runner may advance and is considered to occupy the last base touched at the time the pitcher initiates his actual delivery to the batter.

The preliminary motion known as the "stretch" is not considered the start of the pitching motion.


「投球当時」とは、投手がその動きにより、投球以外できなくなった時のことである。

ワインドアップポジションでは、投球に関連する自然な動作を開始した時、(つまり、ワインドアップあるいは投球動作の開始時)

セットポジションからは投手がセットポジションに入って両手を身体の前で合わせた後に、投球に関連する自然な動きを始めたときである。

投手が投手板に着いている間にに進んだ走者は、投手が実際にピッチング・モーションに入ったときに、その最後に触れたベースを占有したものと見做される。ピッチング・モーションは投手が打者に投球するしかなくなったと判断できる動作によって判断される。

投手が打者に投球せざるを得なくなっていない限り、走者は進塁してもよく、また、投手が実際の打者に対する投球を始めたときに触れていた塁を占有していたと見做される。

「ストレッチ動作」として知られている準備動作は、ピッチングモーションの開始とは見做されない。
----------------------------------------------------------------


ということで、「投球当時」とは投手が打者に投球する以外できなくなった瞬間を指します。設問のケースでは、「投球する腕をゆっくりと大きく後ろに引いた時」のことを指します。(投球する腕を後ろに引くと同時に、普通は、自由な足が打者に向かって踏み出されます。よって「自由な足が打者に向かって踏み出された瞬間」でも良いでしょう。)

「投手板についた時」では、まだ投手板を外すことが出来ます。「セットポジションに入った時」「自由な足をあげた時」ではまだ塁に送球する可能性が残っているので、投球以外の動作もできるわけです。つまり、これらは投球当時とは言えません。しかし、腕を大きく後ろに引いた瞬間、に打者に投球することが確定しました。こうなってから塁に送球したらボークですよね。。リリースの瞬間を待つまでもなく、完全に投球してくることが確定した、この瞬間が「投球当時」です。

この185回と類似の問題を以前取り上げたときに、「ウチの団体では、投球当時は<投手が投手板についたとき>にしています。」という反論なのかよくわからない声を質問箱に頂きました。
仮に<投手当時>が<投手が投手板についたとき>とするならば、前回の出題では、打者が実際に打撃をしたときには競技場内にいなかった既に得点してベンチにいなかった走者をベンチから呼び出して三塁へ行かせなければなりません。

さらに、これがサヨナラの走者だったらどうなりますか?投球当時が「投手が投手板についたとき」ならば、まだ戻される可能性がある以上、その走者が本塁に触れた時点では試合終了にはできないですよね。内野ゴロ悪送球ではなく、ファウルでも事情は同じです。打者がファウルを打ったら、塁上の走者は投手の投球当時の塁に戻らなくてはならないのです。2ストライクだったとして、サヨナラの走者は既に本塁に触れ、ベンチに帰っている。でも次の投球をファウルか、内野ゴロの悪送球がスタンドに入った場合、「投手の投球当時」が投手が投手板についたときならば、試合終了にできないというのは不合理だと思いませんか?次の投球を例えば、打者が見逃し三振したら、サヨナラが確定するなんていうことも私は全く腑に落ちません。私の意見はこれくらいにして、以前の類題と同じ締めになりますが、

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。


★UDC野球ルールクイズ委員会

濱野でした。
                          無断転載禁止

【185回】出題者の意図は?

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-12-13 0:47
こんにちは。濱野です。

だいぶ更新が滞りました。申し訳ございません。
先週末にUDC東日本大震災復興支援セミナー・クリニックに宮城県仙台、そして石巻と出かけてきました。のべ80名を超える皆様にお会いすることができて、大変嬉しく思っております。

当然、それがこれだけ更新が滞った訳ではありません。10周年記念行事、および仙台セミナーに来て頂いた方には既に紹介済ですが、新たにUDCが取り組む新しいサービスに注力しておりました。



まずは、「ルール講座(打者と打者走者のルール)」から開講いたします。詳細はまもなくUDCのホームページにて近日公開致します。

■クイズ185(ミドル)■
走者一塁、投手がセットポジションに入りました。走者は二塁にスタートを切りましたが投手は微動だにしません。二塁に達した走者はそのまま三塁にも達し、投手は悟りの境地に達したのか、それでも動きません。三塁に達した一塁走者は今度は本塁へスタートを切りましたが、それでも投手はセットポジションを崩しませんでした。一塁走者が本塁を踏んで、ダグアウトに入っても投手はそのままでした。走者が塁上からいなくなった後、ずっとセットポジションを崩さずにいた投手はようやく第一球を打者に投球しました。打者は打ちましたが、投手前に転がるゴロになりました。ゴロを捕った投手は一塁に送球せずに、ボールを故意にスタンドに投げ入れました。

審判がとるべき正しい処置を考えてみて下さい。

○● 前回の回答(前進守備で…)●○
正解は
守備妨害である。
でした。

※米国≒国際ルールでの話です。

------------------------------------------------------------
公認野球規則
7.09 次の場合は、打者または走者によるインターフェアとなる。
(k)野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた場合。
 ただし、走者がフェアボールに触れても、
(1)いったん内野手(投手を含む)に触れたフェアボールに触れた場合。
(2)一内野手(投手を除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がない場合。
には、審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告してはならない。
 しかし、内野手が守備する機会を失った打球(内野手に触れたかどうかを問わない)でも、走者が故意にその打球をけったと審判員が認めれば、その走者は、妨害(インターフェア)をしたという理由でアウトの宣告を受けなければならない。(5.09f、7.08f参照)
------------------------------------------------------------


上記7.09(k)(2)の私が赤字にした箇所の日本語を読んでしまうと、確かに守備妨害ではないという解釈が成り立つかもしれません。

しかし、規則委員の先生方のご苦労は理解した上で、野球とベースボールが同一の競技であるとすれば日本の公認野球規則は米国のそれを忠実に訳したものでなければならないはずです。というわけで原文にあたってみることにしましょう。

------------------------------------------------------------
7.09
(k)A fair ball touches him on fair territory before touching a fielder. If a fair ball goes through, or by, an infielder, and touches a runner immediately back of him, or touches the runner after having been deflected by a fielder, the umpire shall not declare the runner out for being touched by a batted ball. In making such decision the umpire must be convinced that the ball passed through, or by, the fielder, and that no other infielder had the chance to make a play on the ball. If, in the judgment of the umpire, the runner deliberately and intentionally kicks such a batted ball on which the infielder has missed a play, then the runner shall be called out for interference.
<拙訳>
野手に触れる前のフェアボールに走者に触れた場合、妨害となる。もしフェアボールが内野手の股間やすぐ横を抜けて、その野手のすぐ後ろで触れた場合、あるいは野手によって方向を変えられえたものに触れた場合は、審判は打球に触れたという理由で走者にアウトを宣告すべきではない。アウトを宣告しないという判定を下すに際しては、ボールが野手の股間かすぐ横を通り、かつ他の野手の守備機会がないということを審判員は確信していなければならない。もし審判の判断において、走者が、内野手のミスした打球(股間やすぐ横を抜けたもの、野手に方向を変えられたもの)を故意に蹴った場合、走者は守備妨害でアウトを宣告される。
------------------------------------------------------------

上記の訳は、私が日本語の規則書を全く見ずに、英語のルールブックの文章だけを見て訳したもので、そして米国ではこの訳の通りの解釈がされています。

大原則として走者はフェアの打球に触れてはならないのです。
日本語のルールブックは、基本的には英語のそれを訳したものです。訳本の宿命として、誤訳や原文のニュアンスを伝えきれないということがありますが、やはり日本語の規則書もその宿命からは逃れられません。日本の規則委員会の先生方には申し訳ないですが、現状の7.09(k)の訳は、多くの人の誤解を招いていると言わざるを得ません。

Baseballと野球が同じ競技であるならば、ルールの解釈も同じであるべきです。

但し、現状では当然ながら日本で行われる野球は日本の規則書に基づいて行われているので、野手と別の野手の間を抜いた打球が、走者に当たった場合、後ろの方の野手(例、一塁手と二塁手なら通常二塁手の方が後方に位置しているので二塁手、三遊間なら同様の理屈で遊撃手)の位置よりも後方で(野手とボールとの横の位置関係は問わない)打球に当たっても、内野手が既に守備機会のないからという理由でアウトにしないとしている団体も多くあるようです。ということで、皆様の所属の団体の取り決めに従って下さい。

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

★UDC野球ルールクイズ委員会

濱野でした。

【184回】前進守備で…

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-10-28 13:34
こんにちは。濱野です。

UDCで取り組んでいる新規事業に注力していまして、こちらの更新が疎かになり申し訳ございません。もう少しで皆様に発表できると思いますので、楽しみにお待ちください。

さてワールドシリーズが始まりました。皆様の多くは田澤上原コンビのいるボストンを応援されていると思いますが、私は Midwest League で同じフィールドに立った選手たちが活躍しているSt.Louisにも親近感を持って見ています。「どっちも頑張れ」のスタンスです。

まずは、質問が集中しそうなプレイが昨日ありましたね。



昨日の第三戦のオブストラクションは、濱野の私見としては、「どちらの判定を出したにせよ揉める」ものだったと思います。三塁塁審のジム・ジョイスはボストンの三塁手ミドルブルックス選手が捕手からの送球を後逸した後、進塁してきたセントルイスのクレイグ選手の走塁を妨害したとしてオブストラクション(B項)を宣告しました。実際にクレイグ選手はボールを持っていない野手に躓いたのは事実であり、ルールブックを字面通りに解釈すればやはりオブストラクションのB項が適用できるケースです。

「送球を後逸したといっても野手は消えてなくなることはできない」というボストン側や複数の元選手のコメンテーターの言い分も理解できますし、実際にあのようなケースではオブストラクションを宣告せずに内野手が倒れたのを送球に対する一連の送球に対する守備行為と見て「Nothing!」で流すことも多々あります。(ルールブックに厳密に従えば誤った運用かもしれませんが、このような「ルールの運用の揺らぎ」が存在することもまた事実です)ですので、私自身はこのケースで「Nothing!」として流したとしても、それはそれで間違いとはいえないとも思います。

ボストンのファレル監督も、メディアも比較的冷静にこの判定を受け止めているようで、「判定はともかく、要はサルタラマッキア捕手が良い送球を三塁に放っておけばこんなことにはならなかった」というニュアンスの記事が多かったです。

なので、三塁塁審のジム・ジョイスは「That's obstruction!」「That's nothing!」のどちらのコールをしていたとしても、揉める結果になっていたと思います。それでもどちらかの判定を出すのが審判の仕事であり、それが審判の仕事の大変さだと思います。私がこのシーンを見て思ったのは、球審のダナ・デミュースはジョイスのオブストラクションのポイントをよく見ていて、走者がアウトのタイミングでも、自ら得点を認めた手際の良さはさすがだと思いました。日本の審判はすぐに集まりたがる傾向にありますが、お互いの意図が分かっていれば集めずに手際よくトラブルを小さくすることができると思います。

■クイズ184(エキスパート)■

今回も質問箱からです。

一死満塁で、内野手は前進守備のシフトでした。打者は三遊間にそれほど強くないゴロを打ちました。これを遊撃手は横っ飛びしましたが、打球に触れることができませんでした。しかし、2塁ベースを大きく離塁していた2塁走者は三塁へ進塁しているとき、この打球が足に触れてしまいました。この瞬間三塁塁審は「タイム」を掛けプレイを止めました。この瞬間三塁塁審は「タイム」を掛けプレイを止めました。守備側のチームから「守備妨害」のアピールがあり、4氏審判員で協議し、2塁走者に「インターフェア」を宣告しました。すると、攻撃側はすでに守備会を失った打球に当たったので、守備妨害でないとアピールしてきました。

さて、これは守備妨害なのか否かを皆様考えてみてください。


○● 前回の回答(ホームプレート周辺の接触)●○
正解は
3.どちらでもない。
でした。

------------------------------------------------------------
公認野球規則7.08(b)
(b)走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。
------------------------------------------------------------


打球に関しては守備優先の原則があります。打球を弾いた場合もステップ&リーチの範囲(step and reach、一歩踏み出して体を伸ばして拾える範囲)であれば、それは打球を処理していると見なされて、守備者に接触したり、ボールを蹴ってしまったりすれば守備妨害でその走者はアウトになります。(その例外がいわゆる「出合い頭、7.09(j)【原注】」です。)

しかし、設問のケースは「送球」の話になります。

私が上記のルールの引用で赤字にした個所のように、送球に対する妨害については、審判の判断で走者に故意があったと認めない限り、アウトにはなりません。走者には捕手が送球をファンブルするということは予見不可能ですし、三塁走者は得点するために三本間を走らざるを得ません。

かなりの時間的余裕があるにもかかわらず、走者が故意に捕手が弾いた送球を蹴ったり、それを拾いに行こうとした捕手に体当たりしたということでも無い限り、設問のケースで走者守備妨害でアウトを宣告されることはありません。

なお、どちらでもないので「Nothing」には間違いないのですが、各塁の直近で両腕を広げると「Safe」のコールと紛らわしいので、単に「プレイを流す」のが通例です。

★UDC野球ルールクイズ委員会

【183回】ホームプレート周辺の接触

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-10-2 14:02
こんにちは。濱野です。

東京にオリンピックがやってくることが決定したすぐ後に、野球ソフトボール連合の五輪正式種目復帰失敗も決まりました。

正式種目となったのは、我が国がメダルに手が届くであろう選手を沢山抱えているレスリングであるので、ひとりの日本人としては安堵し、また野球人としては落胆しているという変な気分です。

「野球が五輪競技にならないのは欧州のせいだ!」と言いたくなりますが、しかし欧州にも野球好きはいるのです。一昨年、私はジムのスイスでのヨーロピアンクラシック(一週間の審判講習会)に呼んで頂きました。隔年開催で、こんどは来年4月にオーストリアのアットナング=ブッフハイムという街で行われるそうです。

http://www.umpire.at/JEEC/

聞いたことない街の名前ですが、確認したところ音楽の都ウィーンよりむしろ隣国ドイツのミュンヘンの方が近いようです。どちらにせよ、ウィーン以外のオーストリアの都市の名前は日本人にとって馴染みはないですね(笑)

私が言いたいのは、「欧州では野球は行われていない」なんていうステレオタイプな偏見は持つべきではないということです。オーストリア(ラリアでなくリアです!最近は紛らわしいのでオーストリーと呼んで欲しいらしいです)の我々も知らない街にも立派な野球場がきちんとあって、チームも活動しています。内野にも芝が植わっていて、羨ましいくらいの球場です。

http://www.athleticsbaseball.at/

以前も書きましたが、Jリーグが発足する以前からサッカーを愛する人は存在していたのと同様に、マイナーな競技と見なされていても欧州でも野球好きは決して少なくない数存在するのです。我々のようないわゆる野球先進国にできることは、辛抱強く彼らをサポートしていくことだと思います。ジムもそのようなつもりで欧州で講習会をやるのだと思います。

私や他のUDCのインストラクターが呼んでもらえるかは分かりませんが、興味のある方は連絡下さい。


■クイズ183(ミドル)■

今回も質問箱からシェアさせて頂きます。

一死満塁、内野陣は前進守備。打者は遊撃手前にゴロを打ちました。遊撃手はこの打球を処理し本塁 へ送球しましたが、三塁側へ若干逸れたワンバウンドとなり、 捕手はファンブルし三塁線上に転がりました。これを拾おうとしたところに三塁走者が本塁突入のためスライディング、捕手と接触してしまいました。 三塁走者は本塁に触れることには成功しましたが…


久々に三択問題にしましょうか。
1.得点を取り消し守備妨害で三塁走者アウト
2.むしろ走塁妨害の可能性があった。
3.どちらでもない。

考えてみてください。

○● 前回の回答(ファイナルスコアは?)●○

正解は
監督の抗議は正しくなく、得点は2点である
でした。

------------------------------------------------------------
公認野球規則4.09
(a)三人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつ、これに触れた場合には、そのつど一点が記録される。

【付記】第三アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者(1、2にあたる場合は全走者、3にあたる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない。

(1) 打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。(6・05、6・06参照)

(2) 走者がフォースアウトされたとき。(7・08e参照)

(3) 前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。(7・10a、b、7・12参照)

【原注】 規則説明打者走者のアウトが1塁に触れる前のアウトの形をとり、それが第三アウトにあたったときは、たとえ他の走者がそのアウトの成立前か、あるいはそのアウトが成立するまでのプレイ中に本塁に触れていても得点は記録されない。

------------------------------------------------------------

上記の規則を踏まえて、監督の抗議が何故正しくないのか考えましょう。

4.09【付記】(1)(2)に当てはまる場合は、全走者の得点が認められないことになりますが、
打者走者が触れて行かなかったのは、一塁ではなく、二塁ですよね。一塁にはきちんと触れたので、(1)は対象外ですし、アピールは打者走者の二塁触塁についてものです。打者走者に対してフォースプレイが起こり得るのは一塁だけですから、これも違います。

次に(3)について見ても、アピールが為されたのは打者走者です。つまり最後尾の走者なので「前位の走者の走塁の失敗」についてのアピールではないです。

しかし、この監督が勘違いしているのはこれらのポイントではなさそうです。
どうやら「いわゆるタイムプレイ」の概念はおぼろげには分かっているようで、得点が入ることには文句は言っていませんね。

「タイムプレイ」とは、第三アウトの成立と走者が本塁に触れるのがどちらが早いかが問題になるものです。アピールプレイの場合も同様です。つまりアピールの原因となる、「走者の過失」(設問の場合では、打者走者の二塁空過)が発生した時点で前位の走者が本塁に触れていたかどうかが問題になるのではなく、あくまでフォースアウトを除く第三アウトが成立した時点で、前位の走者が本塁に触れていたか否かが問題になるのです。

お分かり頂けたでしょうか?もし監督の言うように「走者の過失」をタイムプレイの基準にしたら満塁のケースの球審は全ての走者の触塁と前位の走者の本塁到達の瞬間を見ていなくてはならず、そんなことは不可能なことは皆様にもすぐに分かると思います。

単純に第三アウト成立の瞬間以前に前位の走者が本塁到達したかどうか、です。


★UDC野球ルールクイズ委員会

【182回】得点は何点?

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-9-18 13:16
こんにちは。濱野です。
UDCが審判を請け負わせて頂いている準硬式大学野球の秋のリーグ戦の開幕試合で二人制で球審をやらせてもらいました。私が最近やっているのは一人審判ばかりだったとはいえ、恥ずかしいミスをしてしまいました。

一死走者一塁で、三塁線に早い打球のゴロが転がりました。三塁手が好捕してそのまま離塁していた走者にタッグ。私はフェアのポイントをした後に、ためらうことなくアウトを宣告。コールしてから「あれ?」と塁審を務めてくれた会員さんの方を向くと、こちらを見て笑っています。

そうです。私はするべきだったのは、フェアのコールだけ。後は塁審の責任でした。ダブルコールにならなくて良かったですし、角度的にも最悪で判定が正しかったのも偶然です。

やはり審判は継続的なトレーニングが必要だと身にしみて再認識した次第です。

■クイズ182(ミドル)■

今回も質問箱からシェアさせて頂きます。

二死走者一塁二塁のとき、打者が左中間に三塁打を打ちました。。このとき、二塁ベースいた内野手が打者走者が二塁を空過しているとして、ボールを三塁手からもらい二塁塁上でアピールを行いました。

これを二塁塁審が認めスリーアウトでチェンジとなりました。

スコアボードに二点が記録されると、守備側のチームの監督から、「打者が二塁を空過した時点では、まだ一塁走者は本塁に到達していなかったのだから、得点は一点のはずだ!」と抗議がありました。


監督の抗議は正しいでしょうか?そしてこのイニングの得点は何点でしょうか?
考えてみてください。

○● 前回の回答(ファイナルスコアは?)●○

正解は
7対2でビジティングチーム勝利
でした。

「ビジティングチームが3対2で勝ち」とした人がほとんどではないでしょうか?

------------------------------------------------------------
公認野球規則4.11 
正式試合においては、試合終了時の両チームの総得点をもって、その試合の勝敗を決する。

(d)4.12(a)によりサスペンデッドゲームにならない限り、コールドゲームは、球審が打ち切りを命じたとおきに終了し、その勝敗はその際の両チームの総得点により決する。

【注】我が国では、正式試合となった後のある回の途中で球審がコールドゲームを宣したとき、次に該当する場合は、サスペンデッドゲームとしないで、両チームが完了した最終均等回の総得点でその試合の勝敗を決することとする。

(1)ビジティングチームがその回の表で得点してホームチームの得点と等しくなったが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まってもホームチームが得点しないうちにコールドゲームが宣せられた場合。
(2)ビジティングチームがその回の表でリードを奪う得点を記録したが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが同点またはリードを奪い返す得点をしないうちにコールドゲームが宣せられた場合。

------------------------------------------------------------


多くの皆さんは、上記4.11【注】の結論の部分(斜字の個所)だけを読んで、「日本ではサスペンデッドゲームを原則として採用していないので、表の攻撃中にコールドゲームになった場合は、その打ち切られた表のイニングの得点は無かったことになる」と信じているようです。

ところが、「最終均等回の総得点」がその試合の最終スコアとなるには、条件があるのです。

それが、(1)と(2)です。

設問では試合は5回を過ぎているので成立しています。5回を終了時にビジティングチームがリードを既に奪っています。8回の表にビジティングチームが更に4点を入れてリードを広げたところ、コールドゲームが宣せられたということです。

この8回の表の4点で、(1)ホームチームの得点と等しくなった あるいは(2)リードを奪う結果、となったでしょうか?

否、ですね。8回の攻撃が始まった時点で既にビジティング(先攻)チームがリードしていたので、表の攻撃で何点入ろうとも上記二つの条件を満たすことはあり得ません。

ですから、4.11(d)【注】を適用するには、6回以降の表の攻撃が始まる時点でホームチーム(後攻)がリードしているか、同点でなければなりません。覚えておいて下さい。

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

★UDC野球ルールクイズ委員会

【181回】ファイナルスコアは?

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-9-3 15:37
こんにちは。濱野です。

代表の内川が何名かの会員さんと一緒に、現在、UDC会員で唯一のマイナーリーグ審判、一木くんの試合(シーズンも本当に最後も最後の最終節です)を見に行ってます。
アイオワ州、イリノイ州の州境の「クアッドシティ」エリアにあるModern Woodmen Parkはミシシッピ河に架かる橋のたもとにあって、景観的にはマイナーリーグ屈指のとても美しい球場だと思います。

私も死ぬ前にもう一度行ってみたいです。

■クイズ181(ミドル)■

再び質問箱からです。皆様からの質問がこのコーナーを支えてくれています。

A 01110 004+x 
B 10001 00

7回裏終了時点で3対2とビジティングチームがリードしていました。
8回表にビジティングチームは4点を追加し、7対2と大きくリードを広げたのですが、雷とともに強い雨が降ってきたため、球審が試合を止めました。
その後、1時間にわたって天候の回復を待ちましたが、レーダーの状況等から試合続行不可能と判断し、コールドゲームとなりました。


さて、この試合の最終スコアは何対何でしょうか?
考えてみて下さい。

○● 前回の回答(理由を考えることが大事)●○

正解は
打者が故意にファウルを打って投手を疲弊させないようにするため
でした。

------------------------------------------------------------
6.05 打者は、次の場合、アウトとなる。
(d) 二ストライク後の投球をバントしてファウルボールになった場合。
------------------------------------------------------------


我らが師、ジム・エバンスの著書「Official Baseball Rules Annotated」は今や絶版ですが、代表の内川が持っています。

その本を読むと、野球規則の各項目の変遷や変更になった理由などが書かれていてとても勉強になります。新版を期待したいのですが、マニアックな本なので商業出版としては厳しいのかもしれません。

6.05(d)が作られる以前は、バントで故意にファウルを打つ技術を磨き、投手に多くの球数を投げさせて疲れさせる行為が横行したそうです。このような行為を禁止するため、作られたのがスリーバント失敗はアウトにするというこの規定です。

さて、UDCではメールマガジン担当の藤原が、昨年の夏に「カット打法」について皆様の意見を募りました。組織としての先見の明があるということでしょうか?意見を頂いた殆ど全ての方が、「カット打法」について否定的な意見をお持ちのようで、今回の千葉くんの件におけるネット世論とは違った結果になっていました。

以下は私、濱野の私見でUDCの公式な見解ではありません。

彼が、もしアメリカ野球で同様のことをしたらどうなるかを考えてみました。
故意にファウルを打って打者を疲弊させていると相手チームに解釈されたら、次の打席の初球で背中に当てられると思います。一塁に出塁されるという同じ結果ならば、10球以上を一人の打者に費やすよりは、1球で片付けた方が良いからです。また粘りに粘った後、四球を貰ったときにガッツポーズをしている様子から、意図的に投手を疲弊させていると解釈されることは間違いないとも思います。

上記で述べたように、スリーバント失敗でアウトになるというルールは投手を打者が疲弊させる行為を禁止するために作られました。まして、日本の高校野球はベンチに20人しか入れません。猛暑下の過密日程で一人で投げ続ける投手がいる環境では、(バントと疑われる方法で)ファウルを打ち続けて相手投手の消耗を狙うという作戦は、正攻法なのかどうか疑問の残るところだと思います。

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

★UDC野球ルールクイズ委員会

【180 回】理由を考えることが大事

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-8-26 15:35
こんにちは。濱野です。
ルールクイズは少し長いお盆休みとなり、その間に夏の高校野球が終わってしまいました。

今年の高校野球で話題をさらったのは、やはり彼のプレイですね。



■クイズ180(エキスパート)■

上の映像を踏まえて今回の出題です。
ズバリ、いわゆる「スリーバント失敗」のルールができた理由は何でしょうか?

考えてみて下さい。


○● 前回の回答(接触はないです)●○

正解は
接触が無くてもオブストラクションは成立する
でした。

質問文の場合だとオブストラクションのB項ですね。

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7.06 オブストラクションが生じたときには、審判員は“オブストラクション”を宣告するか、またはそのシグナルをしなければならない。
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オブストラクションのA項、B項、共通に当てはまる定義として規則書に書いてあるのは、上記の文章であり、本文中にあるのは、A項、B項ともに「走塁を妨げられた走者」という表現であり、接触や衝突の有無については全く問題にされていません。

しかし、以降の日本の規則委員会が挿入した【注】が全てボールを持たない野手との接触を前提として書かれているので、質問者様はオブストラクションの宣告をして良いのかどうか悩んでしまったようです。

しかし、実際は接触したか否かに関係なく、ボールを持たない野手(まさに送球を捕ろうとしている場合を除く)にどんな形でも走塁を妨害されれば、それでオブストラクションは成立します。まして三塁手の行為は明らかに走塁を邪魔してやろうという意図が1000%明確です。不注意で接触してしまうことよりもずっと悪質です。このような場合は接触の有無に関わらず必ずオブストラクションの宣告が必要です。


※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

★UDC野球ルールクイズ委員会

【179回】接触はないです。

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-8-9 18:52
こんばんは。濱野です。

先日、学童野球の審判をする機会がありました。子どもだから当たり前なのですが、指導者が選手に与える影響は本当に小さくないと思いました。(子供だけでなく、監督の人間性がチームに反映するというのは大人でもその傾向はあるとは思いますが)

具体的に気になったのは、今年阪神タイガースが始めたパフォーマンスです。人気球団ですし、子どもはすぐに真似をします。私が審判を手伝った大会では、監督が一切そのようなことをさせていないチームもあれば、監督も一緒になって加わっているチームもありました。

特に若年層に対しての場合、指導者は技術だけを教えれば良いというものではないと思います。 タイガースのパフォーマンスは賛否両論であるということは、大人ならば分かっていることでしょう。やられて嫌がる人は確実にいるのです。

(日本でもこのような行為に対し賛否の「否」の声があがるようになってきたということは、野球を見る層が成熟してきたということだと思います。)

「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」が人としての基本だと思うのですが、如何でしょうか?

■クイズ179(エキスパート)■

今回も質問箱からです。

走者1塁のケースです。打者が右中間に長打を放ちました。
それをみた1塁走者は3塁へ向かいました。その際、ボールを処理していない3塁手が明らかに塁線上で絵にかいたような通せんぼをしており、1塁走者が3塁手をよけようとしましたが、3塁手はそれに合わせて左右に動いていました。
やむを得ず1塁走者は接触を避けるべく減速し、3塁手は1塁走者に接触する寸前でベースパスから離れ、1塁走者は3塁にとどまりました。


走者と野手の一切の接触は無かった訳ですが、さて、接触がない状況で走塁妨害は成立するでしょうか?考えてみて下さい。。


○● 前回の回答(走塁放棄?フォースプレイ?タッグプレイ?)●○

正解は
三塁走者の得点を認め、攻守交代
でした。

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7.08(e) 打者が走者となったために、進塁の義務が生じた走者が次の塁に触れる前に、野手がその走者またはその塁に触球した場合。(このアウトはフォースアウトである)

ただし、後位の走者がフォースプレイで先にアウトになれば、フオースの状態でなくなり、前位の走者には進塁の義務がなくなるから、身体に触球されなければアウトにはならない。

また、走者が塁に触れた後、余勢でオーバースライドまたはオーバーランした場合には、塁に触れた瞬間に進塁の義務を果たしたことになるから、その走者は身体に触球されなければアウトにはならない。(このアウトはフォースアウトではなく、タッグアウトである)

しかし、進塁の義務の生じた走者が次塁に触れた後、どのような理由にせよ、その塁を捨ててもとの塁の方へ離れた場合は、再びフォースの状態におかれるから、野手にその身体または進塁すべき塁に触球されれば、その走者はアウトとなる。(このアウトはフォースアウトである)
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前回の出題は、少しルールブックを読み込んだ方の方が「あれ?」と思うのではないでしょうか。

上記7.08(e)の緑字にした部分だけが記憶の片隅に残っていた方はと、フォースの状態に戻ったからフォースアウトとなり、第三アウトがフォースアウトだから得点も認められないと考えてしまうのではないでしょうか?

しかし、赤字の部分が大原則です。設問では打者走者が一塁でアウトになったので一塁走者はもはや進塁の義務はなく、一塁走者のアウトはフォースアウトではありません。

また、ランダウンプレイが始まったことから一塁走者が進塁の意思を放棄したとまでは言えず、走塁放棄も成立しません。

つまり、通常のタッグアウトで第三アウト以前に三塁走者が本塁に触れているので得点も成立するということになります。


※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

★UDC野球ルールクイズ委員会
こんばんは。濱野です。
この夏は梅雨明けが早くて、大変だと思っていたら、ここへ来て各地で集中豪雨の被害が出ていますね。被災された地域の皆様にお見舞い申し上げます。

■クイズ178(エキスパート)■

今回も質問箱からです。これも前回と類似の問題でやはり、ジム・エバンスからその答えを頂いたものです。

一死走者一塁三塁。打者は三塁線にスクイズバントを決めました。三塁走者は生還。打者走者は一塁でフォースアウトにされました。しかし、二塁に一度到達した一塁走者がファウルと勘違いしたのか、一塁方向にふらふらと戻り始めました。一塁二塁間でランダウンプレイとなり、この走者はタッグされてアウトになりました。

もしあなたが審判だったら、どのように試合再開(得点の可否、走者の位置とアウトカウント)しますか?
何故そうなるのかの理由とともに考えて下さい。


○● 前回の回答(走塁放棄?フォースプレイ?)●○

正解は
打者走者は走塁放棄でアウト。三塁走者は得点。一塁走者、二塁走者にそれぞれ塁の占有を許す。
でした。

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7.08(a)(2) 一塁に触れてすでに走者となったプレヤーが、ベースラインから離れ、次の塁に進もうとする意思を明らかに放棄した場合。

6.09 次の場合、打者は走者となる。(b) (1) 走者が一塁にいないとき、(2) 走者が一塁にいても二死のとき、捕手が第三ストライクと宣告された投球を捕えなかった場合。

【原注】第三ストライクを宣告されただけで、まだアウトになっていない打者が一塁に向かおうとしなった場合、ホームプレートを囲む土の部分を出たらアウトが宣告される。
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タイトルにある通りにこの打者走者が一塁を踏まずにベンチに戻った行為によって走塁放棄が成立するのか否かというのが出題のポイントでした。

上記の7.08(a)(2)の条文を読む限り、6.09(b)【原注】で定めている第三ストライクが捕球されなかった場合を例外として、打者が一塁に触れない限り走塁放棄でアウトにされることはないということになります。

しかしジムの回答は、一塁に打者走者が触れていなくても走塁放棄になることはあり得るというものでした。一塁に触れる前の打者走者が走塁を放棄したかどうかはあくまで審判の判断によるものの、ジムはダグアウト/ベンチに入るまでは打者走者をアウトにしないという意見でした。というのは、6.09(b)【原注】のルールができた2007年まではダグアウト/ベンチに一歩足を踏み入れない限り、第三ストライクが正規に捕球されなかった場合でも、打者走者は一塁に向かうことが許されたからです。

ということで、打者が一塁に向かわずベンチ/ダグアウトに入った場合は走塁放棄で打者走者をアウトにし、後位の走者がアウトになったという理由でフォースプレイは成立せず、故に三塁走者の得点を認め、進塁行為をしなかった他の走者はその塁の占有を認めるというのがジムの回答であり、ルールの変遷を考えれば合点がいく考え方だと私は思いますが、皆様は如何でしょうか?

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

★UDC野球ルールクイズ委員会

【177回】走塁放棄?フォースプレイ?

カテゴリ : 
クイズ
執筆 : 
udc_taro 2013-7-25 2:00
こんばんは。濱野です。
都市対抗野球が終わって、高校野球の地方予選が大詰めを迎えていますね。私の母校は神奈川県の普通の県立高校ですが、古豪私学のシード校を破ってベスト16入りしました。準々々決勝(?)で再び強豪私学と当たりそこで敗退しましたが、点差によるコールドにならず9イニングできたことは誇って良いと思います。皆様の母校は如何でしょうか?

■クイズ177(エキスパート)■

質問箱からです。机上の空論でなく、実際に起きた事例だそうです。私は自信を持って頂いた質問に答えられなかったので、ジム・エバンスにその質問を転送し、ようやく返事が帰ってきたので皆様にシェアすることができます。

ノーアウト満塁で打者が左中間に大きなフェア飛球を打ちました。レフトがボールをグラブに触れた後、3塁走者はタッグアップしました。2塁走者と1塁走者は少しリードしていましたが捕球されると判断しそれぞれ2塁、1塁へと戻りました。すると、レフトが落球し、ノーキャッチのジャッジがされました。落球したボールが内野に返球されました。3塁走者はホームイン、2塁走者は2塁、1塁走者が1塁にいました。打者走者は捕球されるものと思い込み、レフトが落球した時点で1塁側ベンチに入り、落球後も走塁することはありませんでした。レフトからの返球を受けた内野は、3塁べースをタッグ、続いて2塁べースをタッグ、1塁ベースをタッグしました。

もしあなたが審判だったら、どのように試合再開(得点の可否、走者の位置とアウトカウント)しますか?
何故そうなるのかの理由とともに考えて下さい。


○● 前回の回答(怒りを買う理由がある)●○

正解は
故意に死球をもらいにいった
でした。

打者用シンガードやエルボーガードが普及してからというもの、硬式野球でも時折軟式野球のように故意に投球に当たりにいく選手が増えて来ました。彼も内角高めに外れたブレーキングボールに故意に当たりに行ったように私には見えます。我が国では、エルボーガードの使い方を間違えている選手が多すぎると思います。

球審の方も打者に一塁を与えなかったので、やはり打者が故意に当たりに行ったと見たようです。

日本だったら、「何としても出塁しようとした」というチームのために献身した行為のように肯定的に言われることもある一方で、わざと死球を貰いにいくような行為をした打者は軟式の草野球の試合でも、相手チームから罵声を浴びることもあります。そのような日本においてすらスポーツマンシップ的に問題のあることとされていることを何故国際試合でやったのか、私は理解出来ません。『日本代表』の意味を分かっているのでしょうか?

アメリカ野球ならば、次の投球で投手は「ストレート系」で背中辺りにぶつけてくると思います。しかし親善試合で、しかも既に警告試合になっていたからでしょうか、バッテリーは自重して勝負した結果本塁打となりました。

米国チームの三塁手の怒りは、そのような日本の野球だったら当たり前に行われている慣行に対するものでもあったと思われます。私の推測の域を出ませんが、第一戦から第六戦まで試合をしてきて、日本の「スポーツマンシップ」にに対してフラストレーションを貯めていたアメリカチームが最終日に爆発してしまったのかもしれません。

昨年とりあげたIBAF U18の本塁でのタックルも伏線があったようです。
実況ではなく、なぜか音楽が流れます。再生の際はご注意を)、




我が国では、捕手が走者に飛ばされたところだけがクローズアップされていますが、このオブストラクションがその伏線であったと思います。三塁手が故意に走路に入ったようにも見えました。米国チームは走塁を妨げられた走者が本塁をもらえなかったこともあって、監督やベースコーチも憤っている様子です。

日本の野球では「みんなやっている」ことでも、それが「Baseball」の世界では許されないことが多々あります。捕手がミットを動かすことや走者が意図的に打球を隠すこともそうですし、盗塁を助けるという意図での「時間差スイング」などもそうです。(そのようなプレイに対し妨害を宣告できずにいた審判にも責任があると思います)

塁上での激しいコンタクトプレイにはとても敏感であるのに、このようなスポーツマンシップを疑われるようなプレイに対して日本の野球界は余りにも鈍感だと私は思います。日本人が柔道や相撲に参加する外国人にその精神性を学んで欲しいと思っているのと同様、日本に野球が導入されて100年以上経つとはいっても我々もベースボールが持っているその精神性を学ぶ必要がまだまだあるのではないでしょうか?

このようなことを書くと「UDCはアメリカかぶれ」と一蹴されそうです。しかし私がこれを審判向けに書いているのは意味があります。アマチュアでも各世代で国際試合が増えており、日本からも審判が派遣されるということもあるでしょう。自国チームの試合は裁かないのが通例ですから、例えばアメリカvsドミニカとか、プエルトリコvs台湾、等の試合を日本人審判は担当することになるでしょう。その時に、ベースボール的スポーツマンシップ(米国野球≒国際野球の不文律と言っても良いでしょう)を理解しておかないと、ゲームコントロールができないのです。WBCの予選でメキシコとカナダの試合で乱闘になりかけたのは記憶に新しいところです。日本の審判が世界で活躍するために必要だと思うのでこのような文章を書いた次第です。


※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

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