平林のNHK番組を観て

昨晩4日のNHKで、平林の挑戦をご覧になられたでしょうか? 少なからず、今朝メールを開くとご感想等を頂いています。ありがとうございます! 今平林がUDCの事務所にやってきて、私といろいろときのうの番組について、話したところです。 皆さんのご感想はいかがでしょうか?「想像以上に厳しい世界なんですね」という感想もありました。そうなんです。確かに平林の所属する3Aは、メジャーのすぐ下ですが、それがすぐにメジャーにつながるかというと、とんでもないのです。厳しい競争を勝ち上がった者だけが、次のステップに進めます。「甘っちょろい」世界ではないのです。 UDCにも、若い高校生や大学生で審判をしている者がいます。中にはプロになりたい、アメリカに行きたいという者もいます。彼らはきのうの番組を観て、どう思ったのか、率直に聞いてみたいですね。 「アメリカで審判になりたいのですが、今何をすればいいですか?」という質問をよく受けます。私はいつもこう言います。 「英語!英語!英語!」 そう、「英語」です。こういうと、「審判はしなくても大丈夫なんですか?」という質問が次に必ず来ます。私の答えは、 「今、審判をする必要はありません。ルールブックも開く必要はありません。すべきことは英語です」 です。 きのうの平林の番組を観て、平林が一番もがいているのは、「英語」なんです。「審判の技術」や「ルールの理解」ではないのです。 英語の問題は、平林に限ったことではなく、UDCでかつてアメリカでプロ生活を送ってきた人間は、すべてこの壁にぶち当たっています。そしてこの壁を破るには、とても長い時間がかかるのです。 審判技術は、審判学校の5週間で、どんどん上がって行きます。それこそ、審判をそれまでにやったことがない人でも、「審判歴何十年」の人より、5週間で上手になり、中にはプロへ進む者も出てきます。ルールも5週間あれば、憶えることが出来ます。 ただし、英語は、少なくとも5週間という審判学校の期間では、プロとして求められる英語力になりません。これは断言します。ここで「英語力」という言葉を使っている事自体、おかしいのかもしれません。だって日本人の私たちが、「日本語力」があるとかないとか、言いませんよね。しゃべれて当り前ですから。それと同じなのです。 英語が話せないことには、前に進めません。平林は、アメリカ人と比べて、審判の技術で負けていると思ったことは、ほとんどないでしょう。むしろ、アメリカ人より上手だと思います。 でも英語はどうか。そこなんです。だから、これからアメリカを目指す者には、「今から」英語を勉強していて欲しいのです。むしろ「今から」でも遅いぐらいです。そして許されるのなら、早く日本を出て、どっぷりとその環境にひたって欲しい。 これからは、アマチュアの方でも、間違いなく国際試合が多くなってきます。試合前、試合中、試合後、他国の審判との交流も英語でしょう。英語はやはり必要です。 今平林は、首の治療のため、いろいろな方法を模索しています。平林にとっては、もんもんとした毎日が続いているかと思いますが、まずは治療に専念し、来シーズンへの準備を進めて欲しく思います。 そして、テレビに平林のライバルとして出ていた「バリー」。彼は来週から始まる「Fall League(フォール・リーグ)」への準備を進めているかと思います。一歩メジャーへ近づきました。彼は、私が審判学校でインストラクターをしていた頃の生徒であり、プロになった後、インストラクターを一緒にした仲間です。そして、UDC藤原の1A時代のパートナーでもありました。少なからず、UDCや日本人とも関わりを持つ者です。 彼も10年という時間を費やし、やっとフォール・リーグを勝ち取ったのです。平林のクルーではチーフとして皆を引っ張り、今年3Aの3年目でやっと、ほんとにやっとフォール・リーグへ進めたのです。心から祝福したいと思います。先月の渡米でも会いましたしね。人間的にも、素晴らしいものを持っています。 それぞれの審判に、それぞれのストーリーがあります。そういったことを知って頂けただけでも、今回の放送にも意味があったと思います。関係者の皆さま、ありがとうございました。 そして、それでも本気で審判を目指そうと思った方、UDCまでご連絡ください。お待ちしています。 追伸:平林が横にいますが、今日は朝からずっと電話に出ています。