渡米日記 4

3日目は、フェニックスから約2時間。Tucson(ツーソン)という町に行ってきました。 今日は私の審判仲間であり、大親友でもあるAngel Camposの試合を観戦してきました。 彼は私たち世代では、一番のいわば出世頭です(英語で何といいますかね?)。まだ3Aの審判ではありますが、この数年は、シーズンのほとんどをメジャーで過ごしています。例えば昨年などは、メジャー130試合、3Aの試合15試合だけといった感じです。 ツーソンもよく晴れて、真っ青な空でした。私は現役の頃、毎年ここツーソンにスプリングトレーニングに来ていたので、この横にあるマイナーのフィールドが、私の職場でした。なつかしい・・・。 いやあ、今日もありました。 きのうの「1人審判」に続いてこんなこと・・・。 「内野手5人制」 現在楽天監督のブラウン監督が広島にいた頃、何回かやりましたよね。それです。投手と捕手を数えれば内野に7人が位置します。 [img align=left]http://www.umpire-dc.org/uploads/weblogD3_photos/204.jpg[/img] 小さいですが、数えてくださいね。 青いユニフォームが5人います。 私もたくさんの試合をこなしてきましたが、これを観たのは初めてでした。 ちなみにエンジェルはこの日塁審でしたが、 エンジェルも初めて見たそうです。 試合後、エンジェルの自宅に私たち全員が招かれました。 日本人の方は「内川さん、ホントにいいの?」という感じでしたが、むしろエンジェルの方から「トシのアミーゴ全員連れて来いよ!」という感じでした。 エンジェルは年齢は私よりも一つ下ですが、もう3人の子供のお父さん。私が前回会った時は長男がまだ赤ちゃんだったのですが、その子ももう6歳。男の子2人に、女の子が1人。ツーソンで購入した家も立派でしたよ。 これまた久しぶりに会った奥さんのSusie(スージー)手作りの「タコス」を皆で頂いて大大満足でした。 [img align=left]http://www.umpire-dc.org/uploads/weblogD3_photos/206.jpg[/img] [img align=left]http://www.umpire-dc.org/uploads/weblogD3_photos/207.jpg[/img] 私もエンジェルと久しぶりにじっくり話が出来ました。エンジェルは確かに今、メジャーに最も近いポジションにいる審判の1人です。けど、彼もまた「来年」という保証は全くない中で試合をしています。3Aのすぐ次はメジャー・・・という世界ではないのです。小さい子がいるのに、家を半年近く空けなければならないこと。大きなプレッシャーの中での仕事。そして人間関係・・・。その立場には、その立場の問題があることを改めて感じました。 エンジェルのご両親は、メキシコからの移住者です。裕福ではない環境で育ったことは、エンジェルからも聞いたことがあります。エンジェルも、ご両親や今の子供たちとの会話はスペイン語です。エンジェルの実家はカリフォルニア州にあり、当時数回泊まりに行きました。お世辞にも、夜歩きたいと思える町ではない雰囲気のところでしたが(笑)、その中でエンジェルは昼間に私をその町に連れ出し、いろいろと案内してくれました。メキシコからの移住者がたくさん住む地域です。アメリカという国の一面を見せてくれました。今でも「連れて行ってくれた、あの汚かったけどめちゃめちゃうまかったタコスのお店、また行きたいなあ。ただし、1人では行かれへんけど」という冗談をエンジェルに言います。 彼は数年前にお父さんを突然の事故で亡くしました。「日本人も勤勉やけど、俺の親父は世界一よう働くぞ!その親父に楽させたいなあ」とエンジェルがよく話していたお父さんでした。とても難しい時期を乗り越えてここまで来ました。彼にとっても、メジャーの審判になることは、まさに「アメリカンドリーム」なのです。私が日本から来ていたこともあり、当時はよく相談にものってくれました(今でもそうですが・・・)。敬虔なキリスト教徒で、信仰心も厚く、困った人間はほっておけないという性格です。何とかエンジェルがこのまま突っ走ってほしいという思いしかありません。 [img align=left]http://www.umpire-dc.org/uploads/weblogD3_photos/205.jpg[/img] エンジェル、今日はありがと!