【第103回】左右対称です! (エキスパート)

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最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。 一週抜けてしまいました。申し訳ありません。 この欄でも何回か書きましたが、我々による審判査定は、個々の審判の皆様にUDCの講習会・クリニックに参加頂くのと同じくらい、あるいはそれ以上に有意義なフィードバックをする自信があります。 体育の日は千葉県の柏まで、ヤングリーグの東日本秋季大会の準決勝・決勝の審判の査定に伺いました。前夜に大雨が降った影響で試合開始が一時間以上遅れて、査定のフィードバックが中途半端になってしまったことがとても残念です。グラウンドでのミニクリニックも是非やりたかったです。 ■ クイズ103(エキスパート)■ 複数の会員様から前々回(101回)の解説に関連して質問を頂きました。今回はその質問を元に出題いたします。 A:走者一塁。右投手がセットポジションから投手板に付いたまま体を反転させ、正しくステップをして一塁に牽制球を投げようとしました。ところが、指に引っかかってしまったのか、自分の足元に強く投げつけてしまい、高いバウンドになりました。投手はあわてて投手板から離れてそのボールを捕球しました。その間、一塁走者もびっくりしていたのか、走ることなく一塁に戻りました。 B:走者三塁。左投手がセットポジションから投手板に付いたまま体を反転させ、正しくステップをして三塁に牽制球を投げようとしました。ところが、指に引っかかってしまったのか、自分の足元に強く投げつけてしまい、高いバウンドになりました。投手はあわてて投手板から離れてそのボールを捕球しました。その間、三塁走者もびっくりしていたのか、走ることなく三塁に戻りました。 この場合下の組み合わせで正しいのはどれでしょうか? 1.A・Bともにボークである。 2.A・Bともにボークではない。 3.Aのみボークである。 4.Bのみボークである。 今回は解答だけでなく、その理由もともに考えてみて下さい。 良い質問ありがとうございました。 ○● 前回の回答(ボーク?ボール?)●○ 正解は・・・ 4.実際に投げた… でした。 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則  7.05 次の場合、各走者(打者走者を含む)は、アウトにされるおそれなく進塁することができる。 (b)三個の塁が与えられる場合 ― 野手が、帽子、マスクその他着衣の一部を、本来つけている個所から離して、フェアボールに故意に触れさせた場合。  このさいはボールインプレイであるから、打者はアウトを賭して本塁に進んでもよい。 (c)三個の塁が与えられる場合 ― 野手がグラブを故意に投げて、フェアボールに触れさせた場合。  このさいはボールインプレイであるから、打者はアウトを賭して本塁に進んでもよい。 ————————————————————————————– 野球規則を見る限り、「フェアボール」に触れさせたとしか書いていないので、ファウル地域で当たったものは全てファウルと判断されても良さそうですね。しかし風向きや打球の空中での回転方向によりフェアの方向に向かいつつあった打球に、野手が道具を投げつけてファウルにした場合は、スポーツマンシップ的にやはり大問題が残ります。そこ で、マニュアルは以下のように定めています。 ————————————————————————————– Any defensive player deliberately touching a batted ball over foul territory that, in the umpire’s judgment, has an opportunity to become a fair ball with detached equipment will entitle all runners – including the batter-runner – to advance three bases from the time the ball was touched without liability to be put out. The ball is in play, and runners may advance beyond the awarded base at their own risk. If a defensive player deliberately touches a batted ball over foul territory that, in the umpire’s judgment, cleary has no opportunity to become a fair ball, the umpire shall rule a foul ball. 《拙訳》 守備側選手が打球をファウル地域で外した用具で故意に触れさせた場合、審判がその打球がフェアになる可能性があったと判断できる場合は打者走者を含めた全走者に打球が用具に当てられた時点から3つの塁がアウトにされる恐れなく与えられる。ボールインプレイであり、走者はアウトになる危険を冒して与えられた塁よりも先の塁まで進んでもよい。 守備側選手が<打球をファウル地域で外した用具で故意に触れさせたが、、審判がその打球がフェアになる可能性が全くないと判断した場合は、ファウルを宣告する。 -------------------------------------------------------------------------------------- ということで、ファウル地域にある打球に用具が投げつけられて当たってもフェアになる可能性があれば3つの塁が与えられるということです。スポーツマンシップの精神から考えれば当たり前の答えですね。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会