【第105回】安全進塁権・・・(ミドル)

ルール改正により、ルール・クイズ記事投稿時とはルールが変更されている場合がございます。
最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。 昨日は久々に地元で審判をしました。そういうわけで、小学生時分に大会で使ったグラウンドに27年ぶりに行ったのですが、「こんなに狭かったっけ?」とビックリしました。残念ながら、自分が大きくなってしまったのですね。あの頃に戻って色々なことをやりなおしてみたい気もします。 ■ クイズ105(ミドル)■ 今回は、私が個人的に電話で受けた質問を皆でシェアしたいと思います。 一死走者二塁。右打者が打席に立っていました。カウント3ボールズ1ストライク。次の投球はボール、四球です。その際、走者は三盗を試みました。打者はバットを置こうとしたのか、三塁側の方向に打席を出た瞬間に捕手と接触してしまい、捕手は三塁に投げることはできませんでした。 さて、審判はどのような裁定を下すべきでしょうか? 1.安全進塁権を得た打者の行為なので、ボールインプレイである。一死走者一・三塁で再開。 2.守備側の得た不利益は取り除かれるべきなので、三塁に到達した二塁走者を戻して走者一・二塁で再開 3.安全進塁権を得た打者の行為なので、守備行為の対象であった二塁走者アウト。二死走者一塁で再開。 4.安全進塁権は取り消され打者アウト。二塁走者を戻す。二死二塁で再開。 考えて見てください。 ○● 前回の回答(ボーク?ボール?)●○ 正解は・・・ 4.遊撃手に退場を宣告する。 でした。 【解説】 もちろん、アメリカプロ野球での解釈です。 ある会員様がたまたま観戦していた中学の試合で、実際に起きたことだそうです。指導者に問題アリですね。こういうのをテクニックって呼ぶなんて、スポーツマンシップについてどうお考えなのでしょうか? ————————————————————————————– Play: With a runner on first base, the first baseman – rather than holding the runner i the traditional manner – jockeys back and forth in front of the runner, several feet to the second base side of the bag. In the umpire’s judgment the first baseman is doing this intentionally to block the runner’s view of the pitcher. Ruling: While Official Baseball Rule 4.03(c) allows a fielder to position himself anywhere in fair territory, if the umpire deems the fielder’s actions are a deliberate effort to block the runner’s view of the pitcher, it is illegal and clearly not within the spirit of the rules. The first baseman should be warned to stop, and if he persists, he is subject to ejection. 《拙訳》 走者一塁。一塁手は伝統的な方法で、走者を留めようというのではなく、一塁よりも数フィートフェア地域の走者の目の前をを行ったり来たりしていた。審判の判断では、一塁手は故意に走者の投手への視界を遮るためにやっているように見えた。 公認野球規則4.03(c)が野手はフェアテリトリのどこに位置しても構わないとしていたとしても、審判が野手の動作が走者の視野を故意に遮ろうとしていると思った場合は、それは違法であり、ルールの精神に反するものである。一塁手はその行為を止めるように警告されるべきであり、以後もそれでも続けた場合は、退場の対象となる。 ————————————————————————————– 米国野球においては、こんなことをやった野手は必ず次の打席でぶつけられます。ぶつけられたくないので、このような規定がなくてもこのようなプレイは起こりにくいです。善悪はともかく、故意死球がスポーツマンシップを担保している面は否定できません。逆に言うと、故意死球を防ぐために、このように「退場にさせなさい」という記述があるとも言えます。 一方、日本の野球では、故意にぶつけられるという心配がほぼ無いからなのか、残念ながらスポーツマンシップの精神に反するプレイは珍しくないと言っても過言ではないでしょう。 審判が権威を与えられていないというのも一つの要因かもしれません。審判が見逃すから、あるいは問題のある行為だとは分かっていても何もしない(できない)から、このようなプレイが横行してしまうのだと思います。 とはいうものの、少年野球や中学野球でアメリカプロ野球のように「即、退場」というのも現実的ではないのかもしれません。皆さんの所属する団体で仲間と審判がとるべき対策として、何が最も相応しいのか是非話し合ってみて下さい。但し、「見逃す」という答えは無しですよ。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会