【第131回】プロ野球の二軍戦でもよくあるプレイです。

ルール改正により、ルール・クイズ記事投稿時とはルールが変更されている場合がございます。
最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。 UDCと平林さん監修の新しい本が出ました! http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-45384-2 平林・内川の新旧代表と私が写真のモデルで、ヒラのインストラクターの私は密かに表紙を狙っていたのですが、やはり平林さんに持って行かれ、下剋上ならずでした。裏表紙もダメか(笑)。編集はつい最近ですが、写真だけはまだ寒い時期に撮ったのでプルオーバーを来ています。 内容については、内川代表と私で幾度も精査、チェックし、必要とあらば編集担当者とライター氏にルールのミニ講義をして執筆を頑張ってもらいました。そのため、ライター氏はプロ野球の選手よりもルールについては詳しくなったのではないでしょうか?  仕上がった本を一読した私個人の感想は(平林・内川・濱野が手を入れているので当たり前ですが)「今までになくUDCの色が強く出ているな」と思いました。いろいろな事象についてかなり踏み込んだ記述が多いです。皆様、是非お買い求めください。 ■ クイズ131(ビギナー)■ 今回もUDCに寄せられた質問から。 1死ランナー 1、2塁で打者が投手前ゴロ、ピッチャーが捕球してファーストへ送球。この時、2塁ランナーがホームに向かったので、一塁手が捕手に送球しました。この送球に攻撃側の選手がバットを引きに行き、拾い上げた途端にバットに送球があたり逸れてしまったために捕手は捕球できず、1塁ランナーまでもホームインしました。バットを下げた選手はベンチ入り選手ですが、故意ではありません。この場合の裁定は、 1.タイムをかけて、2塁ランナーをアウトでチェンジ。 2.成り行きでプレー続行 3.タイムをかけて、ランナーを戻し、2死2。3塁でプレー 高卒1年目の子が試合に出ないときはユニフォームを着てバットボーイ・ボールボーイを務めることがあるので、プロ野球でも二軍レベルならあり得るプレイです。考えてみて下さい。 ○● 前回の回答(それはペナルティなのか?)●○ 正解は 1.プレイは成立。監督の抗議を退ける。 でした。 《解説》 —————————————————————- 公認野球規則 6.02(b) 打者は、投手がセットポジションをとるか、またはワインドアップを始めた場合には、バッタースボックスの外に出たり、打撃姿勢をやめることは許されない。 ペナルティ 打者が本項に違反したさい、投手が投球すれば、球審はその投球によってボールまたはストライクを宣告する。 【原注】打者は、思うままにバッタースボックスを出入りする自由は与えられていないから、打者が “タイム” を要求しないで、バッタースボックスをはずしたときに、ストライクゾーンに投球されれば、ストライクを宣告されてもやむを得ない。  打者が打撃姿勢をとった後、ロージンバッグやパインタールバッグを使用するために、打者席から外に出ることは許されない。ただし、試合の進行が遅滞しているとか、天候上やむを得ないと球審が認めたときは除く。  審判員は、投手がワインドアップを始めるか、セットポジションをとったならば、打者または攻撃側チームのメンバーのいかなる要求があっても “タイム” を宣告してはならない。たとえ、打者が “目にごみが入った” “眼鏡がくもった” “サインが見えなかった” など、その他どんな理由があっても、同様である。球審は打者が打者席に入ってからでも “タイム” を要求することを許してもよいが、理由なくして打者席から離れることを許してはならない。球審が寛大にしなければしないほど、打者は打者席の中にいるのであり、投球されるまでそこにとどまっていなければならないということがわかるだろう。打者が打者席に入ったのに、投手が正当な理由もなくぐずぐずしていると球審が判断したときには、打者がほんの僅かの間、打者席を離れることを許してもよい。  走者が塁にいるとき、投手がワインドアップを始めたり、セットポジションをとった後、打者が打者席から出たり、打撃姿勢をやめたのにつられて投球を果たさなかった場合、審判員はボークを宣告してはならない。投手と打者の両者が規則違反をしているので、審判員はタイムを宣告して、投手も打者も改めて “出発点” からやり直させる。 (c)打者が、バッタースボックス内で打撃姿勢をとろうとしなかった場合、球審はストライクを宣告する。この場合はボールデッドとなり、いずれの走者も進塁できない。  このペナルティの後、打者が正しい打撃姿勢をとれば、その後の投球は、その投球によってボールまたはストライクがカウントされる。打者が、このようなストライクを三回宣告されるまでに、打撃姿勢をとらなかったときは、アウトが宣告される。 【原注】 球審は、本項により打者にストライクを宣告した後、再びストライクを宣告するまでに、打者が正しい打撃姿勢をとるための適宜な時間を認める。 ——————————————————- 打者と投手の呼吸が合わず打者がタイムを要求、あるいは打席を外したが、投手が投球動作に入ったので球審がタイムを認めなかった場合のペナルティは上記6.02(b)に規定されている通りです。 「打者は投球がストライクゾーンを通ったら為すすべもなくストライクを宣告されてしまう」というのが打者に対するペナルティです。 私も友人に教えてもらって、その掲示板を覗いてみたのですが、論点は「ストライクゾーンに投げられない投手にとっては、ペナルティでも何でもない」というものや「6.02(b)の規定はプレーヤーや審判によく知られていない」というものでした。そのような論点をお持ちの方は方は6.02(c)の規定を適用して、どんな場合でも打者にストライクを宣告すべきだという主張をされていました。 そんなことができるのでしょうか? それでは6.02(b)と6.02(c)の規定の違いについて皆様、お分かりでしょうか? 6.02(c)の規定は、球審の投球判定に不満を持った打者が打席を外して球審に文句をつけ、警告後も止めずに打席に入らずにいた場合に適用されるものです。この規則は数年前に適用の方法が変わって、投球の必要すらなくなりました。投球させるとワイルドピッチやボークなどが起きてややこしくなるからです。球審は先にタイムをかけて塁上の走者が進塁できないようにしておいて打者に”That’s a strike!”と宣告します。投球を待たずにストライクを宣告するので、俗に「オートマチックストライク」と呼ばれます。そして打者が打席に入って打撃姿勢を取ったら再びプレイを宣告して打者の打撃を許すというのが6.02(c)の規定の概要です。 このように設問のケースの場合には6.02(c)は適用できません。 確かに投手の中には打者が打席にいた方が投げやすいという人や、学童などで経験の浅い投手は驚いてしまう人もいると思います。そういうコントロールに問題のある投手にとっては確かに6.02(b)は打者にとってペナルティにはなり得ないかもしれません。 では、そのような投手はどうすればよいでしょうか? 投球を中止して投げないという選択もルール6.02(b)は認めています。赤字で示したように打者が打撃姿勢を止めたのにつられて投手が投球を果たさなくてもそれによって審判はボークを宣告してはならないのです。このように、コントロールに難のある投手に対する救済手段も残されているので、打者が外したにも関わらず投手が投球した場合には自己責任で投球したとみなされ、6.02(b)ペナルティが適用される以外はインプレイで試合は進行し、例えワイルドピッチになったとしても取り消されません。 いつでもストライクがとれるように練習しておいてもらうのが一番なのですけどね。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会