【第134回】ミットが硬いのか?

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最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。 九州北部の豪雨被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げます。 関東も梅雨明けして昨日から暑くなりました。皆様、熱中症にはお気を付け下さい。 ■ クイズ134(ミドル)■ 日曜日、草野球のチームの方から個人的に受けた質問です。 二死一塁。打者は既に2ストライクを取られ、追い込まれていました。次の投球は高めの速球、打者は思い切り振りましたが、空振りしてしまいました。しかし、投球は捕手のミットに弾かれて宙に浮いたところを打者のフォロースルーのバットが叩いて、ファウル地域を転々とボールが転がりました。この場合、の処置はどうなるでしょうか? 1.ボールデッド。打者アウト。攻守交代。 2.ボールインプレイで打者は振り逃げができる。 3.ボールデッド。ファウルとして走者を戻し試合再開。 考えてみてください。 ● 前回の回答(そのボールの肩書きは?)●○ 正解は 4.タイムをかけるタイミング、二塁走者に三塁を与えたことは問題ないが、打者は打ち直しになる。一死三塁で再開。 でした。 《解説》 質問を寄せてくれた会員さんは、「ランダウンが始まったタイミングでタイムをかけるべきだったのではないかと確信しています」と仰っていましたが、それは違います。 —————————————————————- 公認野球規則 8.05 ペナルティ 本条各項によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各走者は、アウトにされるおそれなく、一個の塁が与えられる。  ただし、ボークにもかかわらず、打者が安打、失策、四死球、その他で一塁に達し、かつ、他のすべての走者が少なくとも一個の塁を進んだときには、本項前段を適用しないで、プレイはボークと関係なく続けられる。     【付記1】投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球を含む)した場合、塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へアウトを賭して進塁してもよい。 ——————————————————- この会員さんが上記のような勘違いをしたのは、上記野球規則の【付記1】を打球に関しても同様に適用されると混同されてしまったのではないかと思います。【付記1】を反対から解釈すると、「塁または本塁に悪送球(投球)にならなかった場合、塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へは進塁してはならない」と読めます。運用も実際にそうで、ボークの送球が一発で送球先の野手(投球の場合は捕手)に捕えられた場合、その時点でボールデッドになり、その後、ランダウンプレイ等になることはありません。 しかし、打者が打った場合はペナルティが適用されます。打球が発端になってランダウンが進行している間は失策によって塁上の走者が少なくとも一個の塁を進む可能性が残っているので、その走者がアウト(後で取り消されますが)になるまで、ボールデッドにしてはなりません。 3月ジムが日本に来た時に、「そのボールのステイタス(肩書)は何かということを意識して考えるとルールは分かりやすくなる」という話をしていました。この設問もまさにそれの一つで、同じ野球のボールでも、それが、「投球」なのか「送球」なのか「打球」なのかという「球」という字の前につく「肩書」によって適用されるルールが変わってくるのです。 皆様もそのボールのルールの適用される時点での「肩書」は何かということを落ち着いて考えるとルールの誤った適用は劇的に減ると思います。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会