【第139回】3名の方から問い合わせのあったプレイ

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こんにちは。濱野です。 今回は三名の方から問い合わせのあったとてもややこしいMLBで実際に起こったプレイを取り上げます。LA DodgersとBostonとの5対4の大型トレードのすぐ後の試合ですね。獲得した選手たちの現在のネームバリューと年棒総額を見れば、ボストンが損をしているようにも報道されています。しかし、LADからボストンに移ったマイナー選手の何人かは私が働いたリーグで大活躍を見せた将来有望な選手です。そういう訳で、私はLADからボストンに移った選手の何人かには思い入れがあるので個人的にはボストンのGMは良い選手をとったと思うし、このトレードの損得は彼らが将来どうなるかを見るまでは語れないと思っています。 ■ クイズ139(スーパーエキスパート)■  MIA@LADの試合から映像クイズです。このプレイについて3人の会員様からお問い合わせ頂きました。一死走者一塁二塁。本塁一塁線に打者が飛球を打ち上げました。球審は「インフィールドフライ・イフ・フェア」を宣告。一塁走者は太陽の中に隠れた打球を見つけようと突っ立っていると後方から打球を処理しようと走ってきた一塁手と接触。一塁塁審は守備妨害を宣告しました。結局フェア地域に一旦落ちた打球は誰にも触られないままファウル地域に反転してしまいました。 この場合、 1.一塁走者が守備妨害の宣告を受けた段階でボールデッド。一塁走者アウト。一塁走者の妨害が無ければフェア地域でボールを扱えた可能性があったから打者もインフィールドフライでアウト。 2.一塁走者は守備妨害の宣告を受けた段階でアウト。打者は打球がファウルになったので打者にストライクカウントを一つ増やして試合再開。(映像の状況は既に2ストライクですが) 3.一塁走者と一塁手は接触したが、飛球を捕ろうとしていたのは捕手である。守備をしていなかった一塁手に対する妨害は取り消される。そのためボールインプレイで試合は進む。ファウルになったので、打者にストライクカウントを一つ増やして試合再開。(映像の状況は既に2ストライクですが) MLBの審判団も裁定を下すのにとても時間がかかりました。 そして一木君から、このプレイの裁定についてPBUCから全マイナー審判にメールが回ったと連絡がありました。それほどのプレイです。 皆さんも考えてみて下さい。 ○● 前回の回答(タイムをかけるタイミング)●○ 正解は 全ての走者が進塁の企てを中止し、内野手が内野でボールを持った状態 でした。 ≪解説≫ 俗な言い方をすれば、「プレイが一段落」ということです。日本のルールブックを検索してみましたが、「一段落」という表現はなく、「プレイが終わる」という表現が使われていました。しかし私は全ての野球審判が「プレイが一段落」あるいは「プレイが終わる」の定義を共有しているのかを疑問に感じています。定義が共有できていないということは、審判によってルールの運用がまちまちになるということです。これはできれば避けたいところです。 この概念はオブストラクションB項の場合や、ボークの投球が四球かつ暴投になった場合、打撃妨害にも関わらず打者がフェアの打球を打った場合など重要になってきます。アメリカの審判マニュアルでここに列挙した事項を扱っているページには繰り返し「プレイが一段落」あるいは「プレイが終わる」とはどういうことかが書いてあります。 それは即ち、 俗に言う「プレイが一段落する」あるいはルールブックの表記の「プレイが終わる」ということは、「全ての走者が進塁の企てを中止し、内野手が内野でボールを持った状態」のことを言います。 ネット上で見かけた「走者が離塁していたからタイムがかけられない」という表現に違和感を持った理由は、私が審判だったら「フライが捕球された直後に離塁をしていない走者はタッグアップを企んでいることもある」と思うからです。映像中のケースは内野フライだったので、勿論そうでないことがの方が多いのは確かですが、しかし状況によっては離塁をしていないという行為が、むしろその走者は進塁の企てを持っていると映ることもあるのです。逆にハーフウェイにいた走者が元の塁の方向に戻ってくる動きをいていれば、完全に塁に付いていなくても進塁の企てを中止したと判断できるはずです。 ですから、走者が離塁をしていたか否かは「進塁の企てを中止」しているかどうかの判別基準に必ずしもなりません。その場の状況におかれた審判が適切に判断する必要があります。 とにかく、審判の判断で「全ての走者が進塁の企てを中止し、内野手が内野でボールを持った状態」になったら、選手のタイムの要求に応じても差し支えありません。 監督からのタイムの要求は規則5.10(d)により応じなければなりませんが、選手に要求された場合は審判がそれに応じるか判断する必要があります。試合進行のためには不要なタイムは宣告する必要はありませんが、だからといって100%それを拒絶すれば、審判と選手の信頼関係構築がうまくいかないと思います。高圧的になりすぎず上手にゲームコントロールしていくことが大事だと思います。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会 -PR- はっきり言ってもっと売れていいDVDだと思います!購入方法はこちら -PR-