【第83回】指名打者の義務 (ミドル)

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NPBでは交流戦が始まりました。それに関連した時事ネタを今回は取り上げます。 ■ クイズ83(指名打者の義務) ■ この映像に関連して、私の友人から質問を受けました。なかなか良い質問だと思うので、皆さんとシェアしたいと思います。 「この試合のケースで、もし今村投手がホテルに帰ってしまっていたらどうなるの?」 確かに、日本のプロ野球に於いて、チームによっては前日先発した投手や、翌日の先発が予定されている投手が試合前の練習だけ参加して試合が始まる頃に帰ってしまうというのはあり得ないケースではありません。 バファローズの岡田監督の指摘の通り、公認野球規則6.10(d)によって「DHは1打席立たんとあかん」訳ですが、しかし何らかの理由によってメンバー表に名前の載った選手が試合に出られない場合が出てこないとも限りません。 そういう場合、審判としてはどういう措置をすれば良いでしょうか? 1:その試合では指名打者は使えない。投手がDHの打順で打席に立つことになる。 2:公認野球規則4.17により没収試合となる。 3:相手チームの監督の了承を得て、交代を認める。 考えてみてください。 ○● 前回の回答(第三ストライクを落球後…)●○ 正解は・・・ 3:3:プレイは成立する。 でした。 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則 7.09次の場合は、打者または走者によるインターフェアとなる。 (a)第三ストライクの後、打者が投球を処理しようとしている捕手を妨げた場合。 ————————————————————————————– ————————————————————————————– PBUC Manual 7.15 BATTER INTERFERES AFTER THIRD STRIKE NOT CAUGHT Official Baseball Rule 7.09(a) provides that the batter-runner be called out for interference if “after a third strike he hinders the catcher in his attempt to field the ball.” Play 1: First base unoccupied or two out. Strike three not caught. Batter-runner unintentionally kicks, or otherwise deflects the pitched ball that was not caught by the catcher. Catcher is unable to play. Ruling 1: If this occurs in the vicinity of home plate, the ball is alive and in play. However, if this occurs up the first base line (where the batter-runner has had time to avoid the ball), interference is called, the batter-runner is declared out and runners return to base occupied at time of pitch. 拙訳 公認野球規則7.09(a)では、第三ストライクを得た打者がボールを処理しようとしている捕手を妨害したらアウトになると規定している。 プレイ1:一塁が占有されていないか、2アウトの状況で、第三ストライクの投球が捕手に正規に捕られなかった。打者走者は意図せずにボールを蹴るか、あるいは何らかの方法でボールの軌道を変えてしまい、捕手はプレイが出来なかった。 判定1:もしこのプレイがホームプレート付近で起きた場合は、インプレイである。しかし、一塁線上で起きた場合、(打者走者にボールとの接触を避ける時間的余裕がある場合は)インターフェアがコールされ、打者走者はアウト、もし他の走者がいれば投球当時の塁に戻らなくてはならない。 ————————————————————————————– 公認野球規則7.09(a)の規定を読むと、故意か否かに関わりなく打者走者が常にアウトのような書き方をしてありますが、PBUCマニュアルにもあるように、実際はそうではありません。 なぜなら、第三ストライクを得ただけでまだアウトになっていない打者走者はアウトを免れるために走らなくてはなりません。そして、その打者走者には捕手がその投球を取り損なうことまで予見させるのはあまりに酷です。一方で、捕手は少なくとも一度はその投球をミットに収めるチャンスはあり、それを捕手は逃してしまったのです。このように守備側がミスをしているのに、それを走塁の義務を果たしているだけの打者走者に一方的に押しつけてアウトを宣告してしまうのは不合理です。そこで、それを避ける時間的余裕のない場合はボールインプレイとして扱い、避ける時間的余裕があった場合のみ打者走者にアウトを宣告するPBUCマニュアルの方法は極めて合理的だと思います。 昨年、私が塁審として経験したケースでは、監督は血相を変えてパートナーである球審に突進し、「俺はルールを知っている!あのケースでは打者走者はアウトだ!」と鼻と鼻がぶつからんくらいの距離で怒鳴りあった末に退場処分になりました。退場の後、「提訴する!お前ら、絶対に間違っているから!」と言って球場を去っていきました。アメリカでも、ルールブックを読む限りはこの監督は正しいのですけどね。。。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会