【第85回】ボールデッド中の帰塁(スーパーエキスパート)

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皆さん、こんにちは。濱野です。 内川氏担当の、5/27のイブニングセミナーにて会員さんの一人からとても良い質問があったそうです。その夜の10時過ぎに「どう思う?」とメールでシェアしてもらったのですが、私はその場で回答が出せずに見なかったことにして寝てしまいました。眠れば夢の中で答えが出るかと思ったのですが、何も出て来ず、翌日何とか答えを発見しました。   机上の空論の話ではなく、起こり得るプレイだなと思ったので、その質問を少しアレンジして取り上げることにしました。レベルは、副代表いわく「スーパー上級」です。 ■ クイズ85(スーパーエキスパート) ■ 一死走者一塁。ヒットエンドランのサインが出ていました。打者は二塁手にハーフライナーを打ち上げてしまいました。しかし一塁走者は二アウトだと思い込んでいて、そのまま走塁を続けました。ところが二塁手の捕球後の送球は一塁手の頭を越え、そのままダグアウトに入ってしまいました。二塁手の送球が手を離れたときは一塁走者はまだ二塁には到達していませんでしたが、競技場の外へ出たときには既に二塁を回っていました。 さて、審判としてはどういう措置をすれば良いでしょうか? 1:一塁走者は次塁を踏んでしまったので、もう一塁に戻ることはできない。新しいボールを   球審からもらって正しくアピールすればアウトになる。 2:悪送球となったので、守備側はもう一塁でのアピールはできない。一塁走者はボールデッド   になったとき二塁を回っていたので得点となる。   (正しく逆走した後、正しく各塁を踏み直すことが必要である) 3:悪送球となったので、守備側は一塁でのアピールはできない。1塁走者はボールデッド中に   正しく逆送して一塁をリタッチした後、3塁が与えられる。   (正しく逆走した後、正しく各塁を踏み直すことが必要である) 4:攻撃側は一塁走者は次塁に到達したので既に一塁へは戻れないというミスを犯した。   守備側は悪送球をした。双方がミスを犯したので二死走者一塁で再開となる。 考えてみてください。 ○● 前回の回答(捕手の用具)●○ 正解は・・・ 2:キャッチャー用ヘルメットを忘れた捕手。 でした。 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則 1・16 プロフェッショナルリーグでは、ヘルメットの使用について、次のような規則を採用しなければならない。 (d)キャッチャーが守備についているときは、キャッチャー用の防護用ヘルメットを着用していなければならない。 ————————————————————————————– 日本でアマチュアの野球というと、軟式が主流になります。特に草野球レベルだと、ヘルメットを被らずにプレイしている捕手をまだ見かけます。彼らに理由を訊くと「軟式だから…」だそうです。私は常々、危ないなぁと思っていました。 交流戦のL-Sの試合でスワローズのホワイトセル選手が振ったバットがライオンズの銀仁朗捕手に直撃してしまったというニュースを見たことをきっかけに今回は捕手のヘルメットについて問題提起してみようと思い立ちました。 我々の師匠のジム・エバンスいわく、「あまりに当たり前のことはいちいちルールブックには書かれていない」のですから、特に硬式野球ではどの用具を忘れても恐ろしくて捕手は落ち着いてプレイできないはずです。誰に言われなくても、捕手はそれらを身に付けるはずです。では、ルールブックで捕手のヘルメットについてだけわざわざ言及しているのは何故でしょうか? http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=14873327 http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=9210577 http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=12643713 それは、捕手がヘルメットを被ることは当たり前ではなかった時代が長かったことの裏返しです。捕手のヘルメットが義務化されたのは、1988年です。そんなに前の話ではないのです。もしヘルメット無しで上記の映像にあるようなことが起こったらどうなるでしょうか?恐ろしいですね・・・ 上記の映像はMLBのサイトで容易に見つけることができました。アメリカの野球では映像のように捕手が倒れ込むほどではないレベルのプレイはそれこそほぼ毎試合起きていると言っても言い過ぎではありません。よくあるプレイだからこそ、6.06(c)に【原注】が付いているのです。 日本人のスイングのフォロースルーは外国人ほど大きくないので、日本の野球では珍しいことではありますが、それでも絶対に起こらないとは言い切れません。 多くの軟式野球の選手が勘違いしているのは、捕手用ヘルメットの目的は、ボールが頭に当たったときの衝撃緩和でなく、バットが当たった場合の衝撃緩和にあります。軟式と硬式では確かにボールの硬さは全然違いますが、バットの硬さにそれほどの違いはあるでしょうか?私は自分の目の前で捕手が大怪我をするのを見たくありません。必ず捕手にヘルメットを被らせるようにしましょう。 そして、我々にとっても衝撃的な映像です。 http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=11014255 捕手のほんの少しだけ後方にいる審判が危険でないわけはないのです。高価であること、荷物が大きく重くなってしまうことと、高温多湿の日本の夏では暑苦しいなどの理由から普及しませんが(こんなことを書いておきながら私自身も持っていません…)本当は球審もヘルメットを被るべきではないかと思います。 UDCで取り寄せ可能ですよね? ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会