【第88回】走者は何処へ?(ミドル)

ルール改正により、ルール・クイズ記事投稿時とはルールが変更されている場合がございます。
最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

濱野です。ちょっと長い前置きをご容赦願います。昨日のNPBより。 監督が審判に手を出して退場になった後、そのチームが勝つと、例えば「指揮官の勝利に掛ける熱い思いが選手に乗り移った」とか、メディアがむしろ肯定的に書きますね。 「選手は生活をかけてやっている!」という意見に対しては「審判も同じですよ!」と反論したいし、一生懸命やっている選手でもエラーや三振をするように、間違えようとして間違える審判は一人もいませんよね。 アメリカでは、どんなにジャッジが「馬の糞」でも審判に手を出すことはまずありません。 (【ちなみに情報】”That’s horse shit!” はアメリカ野球では常套句です) 「馬の糞の審判」の例を挙げます。(音が大きいのでご注意ください) 酷いジャッジですね。ヘタクソすぎる。 一塁のベースコーチに立っていた打撃コーチは激高しているものの、審判には触れませんでした。(ちなみに退場理由は「異議をヘルメットを叩きつけて表明したから」です。) WBCを始め、国際大会で日本の恥をさらすことがあってはなりません。国内のリーグが普段から国際大会と同じ基準で行われることが必要です。マスコミの姿勢やファン世論ももっと成長しなければなりません。その啓蒙のためには、我々が審判という立場で声を上げることが大事だと思います。 ■ クイズ88(ミドル)■ ここからが本題です。 無死走者二塁。投手が足を上げた瞬間、二塁走者が三盗を企てましたが投手はそのまま体を回して二塁に牽制球を投げました。二三塁間での挟殺プレイとなりました。二塁手が三塁手に送球したのを見て、三塁方向に走っていた走者は二塁に戻ろうと反転しました。その送球がが空中にあるときに、ボールを持たない遊撃手と接触しました。ところが、二塁手の三塁手への送球は悪送球となり、観客席に入りました。二塁走者にはどの塁が与えられるでしょうか? 1:走者は二塁に戻ろうとしていたので、二塁に戻される。 2:遊撃手が走者と接触した瞬間にボールデッドとなり、走塁妨害で三塁が与えられる。 3:送球が観客席に飛び込んだので、二塁走者は得点となる。 考えてみてください。 ○● 前回の回答(守備妨害)●○ 正解は・・・ 1:捕手には気の毒だが、インプレイの状態が続く。 でした。 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則 6.06 次の場合、打者は反則行為でアウトになる。 (c)打者がバッタースボックスの外に出るか、あるいは何らかの動作によって本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合。しかし例外として、進塁しようとしていた走者がアウトになった場合及び得点しようとした走者が打者の妨害によってアウトの宣告を受けた場合は、打者はアウトにはならない。 【原注】(抜粋)打者が空振りし自然の打撃動作によるスイングの余勢か振り戻しのときその所持するバットが捕手がまだ確捕しない投球に触れるかまたは捕手に触れたために、捕手が確捕できなかったと審判員が判断した場合は打者の妨害とはしないがボールデッドとして走者の進塁を許さない。打者については第一ストライク、第二ストライクに当たるときは、ただストライクを宣告し第三ストライクに当たるときは打者をアウトにする(2ストライク後の”ファウルチップ“も含む)。 ————————————————————————————– 文中の文字を赤くした場所にもあるように、6.06(c)【原注】の後半部分は、打者が空振りしたときのみの適用となります。今回の質問の場合はルールブックを素直に読めば良かったわけですが、UDCのインストラクターの間でも「打者が実際にバットにボールを当てた後にフォロースルーが捕手を叩いたらどうなるのか?」について意見が割れました。アンパイアマニュアルにも何の言及もされていないのです。そこで、師匠のジム・エバンスに問い合わせた結果、 ————————————————————————————– This is nothing. Backswing interference only applies when it interferes with the catcher making a play on a runner after he swings and misses. The catcher has an obligation to avoid the batter and his bat when he hits the ball. Naturally, if the BR intentionally interferes, he would be out and all runners returned. 《拙訳》 これは「ナッシング」です。6.06(c)【原注】の後段部分は、打者が空振りしたあとに捕手が走者に対してプレイを行おうとしていたときのみに適用されます。打者がバットを振って投球を打ったときには、捕手には打者を避ける義務が課されます。当然のことながら、もし打者が故意に投球を打った後に捕手をバットで叩いたときには、その打者にアウトが宣告され、全ての走者は投球当時の塁に戻されます。 ————————————————————————————– とのことでした。捕手には気の毒ですね。お大事に。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会