【第90回】石ころですか…?(ミドル)

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こんにちは、濱野です。 昨日、私も炎天下にいました。熱中症を防ぐため、4リットル以上のスポーツドリンクを飲みました。それでも軽い頭痛がしました。過去3年間、アメリカのNorthwest・Midwest・Midwestと緯度的には北海道位の場所で夏を過ごしました。日本(関東)の夏は久しぶりで、更に節電で冷房をなるべく使わないようにしているので、本当に堪えますね。 一木君がフロリダのGulf Coast Leagueで頑張っていますが、彼も日本の高温多湿の夏を知っています。フロリダの暑さなど、なんてことないはずです。悔いのないように頑張ってほしいものです。 さて、本題です。 ■ クイズ90(ミドル)■(まだまだ続く妨害シリーズ…) 無死走者一・三塁。内野は中間守備をとっていました。打者は投手の速球を弾き返し、マウンドの横をもの凄い勢いで打球を通過して行きました。二塁手が後ろで守備態勢に入っていましたが、内野の中に位置していた塁審に打球が当たってしまいました。 さて、審判としてはどういう措置をすれば良いでしょうか? 1:ボールインプレイでプレイを続けさせる。審判は石ころですから…。 2:すぐにボールデッドとし、審判が打球に当たらなかった場合を協議。   三塁走者得点、ダブルプレイで、二死走者なしで再開。 3:すぐにボールデッドとし、打者には一塁が与えられる。   安打なので、三塁走者得点、無死一二塁で再開。 4:すぐにボールデッドとし、打者は一塁、一塁走者は二塁へ進めるが   三塁走者はそのまま三塁に留め、無死満塁で再開。 考えてみてください。 ○● 前回の回答(わざとではないのです。)●○ 正解は・・・ 2:すぐにボールデッドとし、打者はアウトにはしないが、走者を一塁に戻す。 でした。 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則 6・06  次の場合、打者は反則行為でアウトになる。 (c)打者がバッタースボックスの外に出るか、あるいはなんらかの動作によって、本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合。 しかし例外として、進塁しようとしていた走者がアウトになった場合、及び得点しようとした走者が打者の妨害によってアウトの宣告を受けた場合は、打者はアウトにはならない。 【原注】 打者が捕手を妨害したとき、球審は妨害を宣告しなければならない。打者はアウトになり、ボールデッドとなる。妨害があったとき、走者は進塁できず、妨害発生の瞬間に占有していたと審判員が判断した塁に帰らなければならない。しかし、妨害されながらも捕手がプレイをして、アウトにしようとした走者がアウトになった場合には、現実には妨害がなかったものと考えられるべきで、その走者がアウトとなり、打者はアウトにはならない。そのさい、他の走者は、走者がアウトにされたら妨害はなかったものとするという規則によって、進塁も可能である。このような場合、規則違反が宣告されなかったようにプレイは続けられる。  打者が空振りし、自然の打撃動作によるスイングの余勢か振りもどしのとき、その所持するバットが、捕手がまだ確捕しない投球に触れるか、または捕手に触れたために、捕手が確捕できなかったと審判員が判断した場合は、打者の妨害とはしないが、ボールデッドとして走者の進塁を許さない。打者については、第一ストライク、第二ストライクにあたるときは、ただストライクを宣告し、第三ストライクにあたるときに打者をアウトにする (2ストライク後の “ファウルチップ” も含む)。 ————————————————————————————– 6.06(c)を何となく読んでしまうと、打者は打席外に出て捕手の返球を妨害したのだから打者をアウトにしたくなるものです。しかし、PBUC MANUALには ————————————————————————————– 7.14 BATTER INTERFERES WITH CATCHER’S THROW BACK TO PITCHER If the batter interferes with the catcher’s throw back to the pitcher by stepping out of the batter’s box while he is at bat (no runners attempting to advance), it shall not be considered interference under Official Baseball Rule 6.06(c). In such cases, the umpire shall call “Time” only (no interference). The ball will be dead and no runners shall advance on the play. The interpretation does not, of course, give the batter license to intentionally interfere with the catcher’s throw back to the pitcher, and in such cases the batter shall be called out. If the batter becomes a runner on ball four and the catcher’s throw strikes him or his bat, the ball remains alive and in play (provided no intentional interference by the batter-runner). If the batter intereferes with the catcher’s throw to retire a runner by stepping out of the batter’s box, interference shall be called on the batter under Official Baseball Rule 6.06(c). However, if the batter is standing in the batter’s box and he or his bat is struck by the catcher’s throw back to the pitcher (or throw in attempting to retire a runner) and, in the umpire’s judgment there is no intent on the part of the batter to interfere with the throw, consider the ball alive and in play. 《拙訳》  打者が打席から出て、捕手の投手への返球を妨害してしまったときは、(どの走者も進塁を企てていない場合)、6.06(c)の規定に基づく守備妨害と考えるべきではない。このようなケースでは、審判員は「タイム」だけを宣告する。(守備妨害は宣告しない)ボールデッドとなり、どの走者も進塁できない。  この解釈は、勿論のことだが、打者に意図的に捕手の投手への返球を妨害することを許すものではない。意図的な妨害は打者はアウトとなる。打者が四球を得て、走者となった場合、捕手の返球が打者走者あるいはそのバットに当たった場合は、ボールインプレイである。(打者走者に故意の妨害が無い場合)。  もし打者が走者をアウトにしようとしている捕手の送球を打席の外に出て妨害した場合、公認野球規則6.06(c)によりアウトが宣告される。  しかし、打者が打席内にいて、捕手の投手への返球・走者をアウトにしようした送球に当たった時は、審判の判断において打者に故意がない場合はボールインプレイとする ————————————————————————————– 捕手の投手への返球はプレイとは呼べるかどうか、という考え方によるものだと思います。私がエバンス審判学校で教わった審判が考えるプレイの定義とは、「ボール+走者(or打者)」です。走者が動いてない状況での投手への返球は上記のプレイの定義からは外れます。確かに打席を出た走者も悪いですが、「プレイ」を妨害してはいません。一方で捕手も、どの走者も進塁を企てていない状況では、慌てずに打者を避けて返球をすれば、こういう事態は起こらないはずです。ということで、捕手にも負うべき責めがあり打者をアウトにするのは酷だということで、上記の規定が出来たのだと思います。 アメリカのプロでは上記のような運用ですが、日本でこのような内規がある団体は恐らくないと思います。ご自分の属する団体では、どのように処置するかよく確認された方が良いと思いますし、決まりがなければ「アメリカではこうしているようですよ…」とこれを皆さんで話し合うきっかけにしていただければ幸いです。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会