【第91回】ファウルチップとは?(ミドル)

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こんにちは、濱野です。 一昨日、36度の気温の下、久しぶりにキチンとした二人制で審判をしました。私が塁審のときに、こんなことがありました。走者一塁・二塁の場面だったので、投手後方の遊撃手側にいました。(二人制をご存じない方もいるかもしれないので、念のため書いておきますが、走者一・二塁/満塁/二塁/三塁のときは、塁審は投手後方の遊撃手側に位置します。)すると私の後ろにいた遊撃手が、「すみません、少し動いてもらえますか?」と尋ねてきたので、「いいよ、右?左?」と訊き返すと「セカンドの方へ…」と彼が言うのが聞こえたので、「じゃ、左ね」と一歩動くと、その遊撃手は「いや、一歩や二歩じゃなくて右打者のときは、二塁手の前にいてくれないと邪魔なんですけど!」と言いました。「俺はここで仕事してるの!ここにいなきゃいけない理由があるんだよ、動いてあげてもいいけど一歩だよ!」と反論すると、自分の申し出が却下されるとは全く思っていなかったらしく、唖然としていました。この大会は以前から二人審判で行われているのですが、それが「二人制」ではなく、単に「審判が二人しかいない試合」で行われていたのでしょう。正しい二人制をもっと普及させていかなくてはならないなと思うと同時に、審判はプレーヤーの意思でその位置をどうにでもできる石ころではないんだよ、と思いました。先週の出題と繋がったところで、本題に入ります。 ■ クイズ91(ミドル)■ 無死走者1・2塁。打者は既に二度送りバントを試みましたが、いずれもファウルとなりボールカウントは0ボール2ストライクス。打者はどうしても走者を次塁に送りたいのか、バントの構えをしています。次の投球と同時に、一塁手と三塁手が打者のバントに備えて猛烈な勢いで前進してきました。しかし、攻撃側は打者にバットを引かせ、所謂バスターエンドランをしかけてきました。しかし、高めのボール球となった投球は打者が振ったバットを掠めて捕手のミットに当たった後、捕手のマスクの上部に当たり一塁側のファウルテリトリーに舞い上がりました。それを前進してきた一塁手が直接捕球しました。 これは、 1:投球が捕手のミットに最初に当たり、それが地面に落ちる前に捕えられているのでファウルチップ=ストライクである。第三ストライクなので、打者アウト、一死2・3塁で再開。 2:ファウルボールである。走者をそれぞれの塁に戻して再び無死走者1・2塁、0ボール2ストライクで再開。 3:ファウルチップ=ストライクだが、走者は元に戻らねばならない。一死1・2塁で再開。 考えてみてください。 ○● 前回の回答(石ころですか…?)●○ 正解は・・・ 4:すぐにボールデッドとし、打者は一塁、一塁走者は二塁へ進めるが   三塁走者はそのまま三塁に留め、無死満塁で再開。 でした。 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則 5・09  次の場合にはボールデッドとなり、走者は一個の進塁が許されるか、または帰塁する。その間に走者はアウトにされることはない。 (f) 内野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者または審判員に触れた場合、あるいは内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判員に触れた場合 ― 打者が走者となったために、塁を明け渡す義務が生じた各走者は進む。 6・08  打者は次の場合走者となり、アウトにされるおそれなく、安全に一塁が与えられる。(ただし、打者が一塁に進んで、これを触れることを条件とする) (d) 野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で審判員または走者に触れた場合。  ただし、内野手(投手を除く)をいったん通過するか、または野手(投手を含む)に触れたフェアボールが審判員に触れた場合にはボールインプレイである。 ————————————————————————————– 前回の問題は、上記の5.09と6.08の規定の通りなのですが、審判にフェアの打球が当たった場合、ルール上考えなくてはならないポイントが二点あります。 1.その審判の後ろに内野手がいたかどうか?(つまり審判が内野内に居たかどうか?) 2.内野内にその審判が居た場合、その打球が野手に触れることなく直接当たったか? 上記二つの問いにどちらも「Yes」の場合のみボールデッドとなります。(それ以外の場合は痛みに耐えながら、「That’s nothing!」と叫んで下さい。)打者には一塁が与えられますが、打者が一塁に与えられたために押し出される場合のみ、走者は進塁でき、そうでない場合はその走者は投球当時の塁に留め置かれます。例を挙げます。 Philadelphia@Pittsburghの試合です。1死1・3塁の場面で、打球が内野内に位置する二塁塁審に当たってセンターに抜けて行きました。ボールデッドとなり、打者が1塁を得たことで押し出される形になった1塁走者には二塁が与えられましたが、そうでない3塁走者は元に戻されました。この映像はPhiladelphiaのテレビ局制作らしく、その後の打者がダブルプレイ、無得点に終わったこともあり、審判に対して、文句ブーブーの実況が続いていました。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会