【第93回】今度は観客席だ…(エキスパート)

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こんにちは、濱野です。円高が進んでいますね。私がガルフコーストリーグへ行った2007年は1ドル117円前後でした。昨秋、帰国する時現地でもらっていた給料を日本に円に換えて送金する時に、1年目とのあまりの金額のギャップに悲しかったです。日本で海外相手に商売している企業の苦しさを身をもって理解しました。海外で働いて現地通貨で給料をもらうというのは、こういうリスクとも戦わなくてはなりません。 ■ クイズ93(エキスパート)■ 一死走者2・3塁。打者はレフトのファウル地域にフライを打ち上げました。左翼手は一生懸命打球を追いかけ、なんとかグラウンド上で飛球を捕りましたが、走ってきた勢いを止められず、そのまま観客席に入ってしまいました。それでも何とか持ちこたえて立っていた左翼手は、3塁走者がタッグアップしているのを見て、中継の三塁手にボールを転送、三塁手の送球がギリギリ間に合い、捕手が3塁走者の本塁突入前にタッグしました。 これは、 1:左翼手が捕球後プレイングフィールド上で自分の身体をコントロールできなかったので、落球と同じ扱いになり、ファウルボールである。打者のストライクを一つ増やし、走者はそれぞれ戻る。 2:打者はフライアウト。左翼手が観客席に入った時点でボールデッドとし、走者をそれぞれ一つ進塁させる。3塁走者得点で、二死3塁で再開。 3:打者はフライアウト。左翼手が観客席に入った時点でボールデッドとし、タッグアップを企てていた3塁走者に本塁を与え得点、2塁走者は二塁に留まる。得点・二死二塁で再開。 4:プレイは成立する。打者はフライアウト、三塁走者タッグアウトでチェンジとなる。 考えてみてください。 ○● 前回の回答(ダグアウトで…)●○ 正解は・・・ 4:打者はフライアウト。捕手がダグアウト内でボールを落とした時点でボールデッドとし、走者にそれぞれ二つの塁を与える。すなわち、二塁走者得点、一塁走者は三塁が与えられる。二死3塁で再開。 でした。 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則 6.05  打者は、次の場合、アウトになる。 (a)フェア飛球またはファウル飛球(ファウルチップを除く)、野手に正規に捕えられた場合。 【原注】野手は捕球するためにダッグアウトの中に手を差し伸べることはできるが、足を踏み込むことはできない。野手がボールを確捕すれば、それは正規の捕球となる。ダッグアウトまたはボールデッドの個所(たとえばスタンド)に近づいてファウル飛球を捕らえるためには、野手はグラウンド(ダッグアウトの縁を含む)上または上方に片足または両足を置いておかなければならず、またいずれの足もダッグアウトの中またはボールデッドの個所の中に置いてはならない。正規の捕球の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの個所に倒れ込まない限り、ボールインプレイである。走者については7・04(c)〔原注〕参照。 7.04  次の場合、打者を除く各走者は、アウトにされるおそれなく一個の塁が与えられる。 (C)野手が飛球を捕えた後、ベンチまたはスタンドに倒れ込んだり、ロープを越えて観衆内(観衆が競技場内まで入っているとき)に倒れ込んだ場合。 【原注】野手が正規の捕球をした後、スタンド、観衆、ダッグアウト、またはその他ボールデッドの個所に倒れ込んだり、あるいは捕球した後ダッグアウトの中で倒れた場合、ボールデッドとなり、各走者は野手が倒れ込んだときの占有塁から一個の進塁が許される。 ————————————————————————————– 2011年度版の我が国の公認野球規則のはしがきを読んで、この出題を思いつきました。昨年までの公認野球規則6.05(a)【原注】の後に【注】我が国では、正規の捕球の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの個所に踏み込んでしまえば、ボールデッドとする。というのがあったのが、今年から削除されました。また、7.04(C)の後には【注】我が国では、正規の捕球の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの個所に踏み込めば、ボールデッドとし、各走者は野手が踏み込んだときの占有塁から一個の進塁が許される。という規定も以前はありました。ということで、昨年までなら日本では正解は2だったのです。 日本の公認野球規則の【注】は日本独自のものです。時として【注】が原因で誤解してしまったり、アメリカと運用が異なるものがあるのでそれこそ【注意】が必要ですが、そのほとんどは読者の理解を深めるのに役立つものであることは言うまでもありません。ともかく今年の改正で、この規定について日米の解釈が同じになったことは評価すべきと考えます。 皆さんご存じのようにベンチ・ダグアウトはボールデッドの地域でプレイできません。唯一の例外が野手がフィールド上で捕球して、その勢いで入ってきて倒れ込まなかった場合です。しかし、確捕後のボールをダグアウト内で落としてしまったときは、やはりボールデッド地域にボールを投げてしまったのと同じですから、捕手がボールを落とした時点から走者に二つの塁が与えられます。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会