【第98回】メンバー表の背番号(ミドル)

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こんにちは。濱野です。関東の私の住む地域は予想されたほど雨も降りませんでした。雨が降ることを予想して、土日の審判の予定を外したことを後悔したほどですが、西日本では大変だったようですね。台風12号で被災された方々にお見舞い申し上げます。 今回はPBUCがスプリングトレーニング寸前に、全マイナーリーグの審判に出す宿題からの出題です。新年が明けて一週間ほどでメールに添付されて送られて来ます。ルールテストが届くと、「シーズン開始はもうすぐだ!」と気持ちを新たにしたものでした。 ■ クイズ98(ミドル)■ 試合前に監督が、先発選手の背番号をよく確認しないままメンバー表を記入して審判に渡し、試合が始まりました。試合が3回まで進んでから相手チームの監督が、一人の選手がメンバー表と違う背番号を着けているのに気が付き、球審に「ちょっと!」と言ってきました。 さて、審判はどうすれば良いでしょうか? 1.相手チームの監督は、提訴試合にすることができる。 2.背番号が違っていても、特に罰則はない。試合を続行する。 3.その選手にメンバー表記載の背番号のユニフォームに着替えさせる。 4.間違いを指摘された選手を退場処分にする。 考えてみて下さい。 ○● 前回の回答(アピール権消滅)●○ 正解は・・・ 3.Bである でした。 (出題文があまり良くないので、「1.アピールは全て有効」とも読めてしまいます。その理由は解説をご覧ください。) 【解説】 ————————————————————————————– 公認野球規則 7.10 本条規定のアピールは、投手が打者へ次の1球を投じるまで、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行なわなければならない。  アピールは、その消滅の基準となるプレイまたはプレイの企てとはみなさない。  投手がアピールのために塁に送球し、スタンドの中などボールデッドの個所にボールを投げ込んだ場合には、同一走者に対して、同一塁についてのアピールを再びすることは許されない。  第三アウトが成立した後、ほかにアピールがあり、審判員が、そのアピールを支持した場合には、そのアピールアウトが、そのイニングにおける第三アウトとなる。  また、第三アウトがアピールによって成立した後でも、守備側チームは、このアウトよりもほかに有利なアピールプレイがあれば、その有利となるアピールアウトを選んで、先の第三アウトと置きかえることができる。  ”守備側チームのプレーヤーが競技場を去る” とあるのは、投手および内野手が、ベンチまたはクラブハウスに向かうために、フェア地域を離れたことを意味する。   【7.10原注】 アピールするときに、投手がボークした場合には、その消滅の基準となるプレイとみなされる。 アピールは言葉で表現されるか、審判員にアピールとわかる動作によって、その意図が明らかにされなければならない。プレーヤーがボールを手にして塁に何げなく立っても、アピールをしたことにはならない。アピールが行なわれているときは、ボールデッドではない。 【注一】 アピール権消滅の基準となるプレイには、投手のプレイはもちろん、野手のプレイも含まれる。たとえば打者がワンバウンドで外野席に入る安打を放って二塁に達したが、途中一塁を空過していた。プレイ再開後、投手が一塁へアピールのために送球したところ、悪送球となって、プレイングフィールド内を転々とした。これを拾った一塁手が一塁でアピールすることはできるが、二塁走者がその悪送球を利して三塁へ走ったのを見て三塁へ送球してしまえば、一塁でのアピール権は消滅する。 【注二】 攻守交代の場合と試合終了の場合との区別なく、いずれの場合でも投手および内野手が、フェア地域を離れたときに、アピール権が消滅することとする。  アマチュア野球では、試合終了の場合に限って、両チームが本塁に整列したとき、アピール権は消滅することとする。 【注三】 アピールするには言葉と動作とで、はっきりとその旨を表示しなければならない。  なお、ある一つの塁を二人以上の走者が通過したさい、その塁の空過を発見してアピールするには、どの走者に対するアピールであるかを明示しなければならない。たとえば、甲、乙、丙の三走者が、三塁を通過し、乙が三塁を踏まなかったときは、乙に対するアピールである旨を明示しなければならないが、もしこのとき甲が空過したと誤って申し出て、審判員に認められなかった場合でも、その塁を通過した走者の数までは、アピールをくり返して行なうことができる。 ————————————————————————————– 今回の出題文で出題者たる私としては、右翼手が捕球して、二人の走者がタッグアップして次塁に到達した時点で、一旦、プレイが落ち着いたという前提条件を提示したかったのですが、実際、自分の書いた文章からそのようには読めませんね。そのために少し混乱された方もいたかもしれません。(某会員様から頂いた質問のメールの文章からはそのようなニュアンスがきちんと読み取れるものでした。私が余計な手を入れず、そのまま載せれば良かったですね) とにかく、この「一旦プレイが落ち着いたか否か」がアピール権を考えるのに、とても大事になってきます。 「プレイの連続性」と言い換えても良いでしょう。公認野球規則にあるように、「プレイまたはプレイの企て」があると、以降のアピール権は消滅してしまいます。しかし、ある一つの原因によって引き起こされた一連のプレイ群の中で生じたアピール権はその一連のプレイ群が終わるまでは維持されます。 つまり、「打者が外野に飛球を打ったことにより引き起こされた一連のプレイの連続性」は右翼手が捕球して、二人の走者がそれぞれ次塁に達した時点で終了しており、そう考えると、二塁走者の本塁突入を阻止しようと守備側がプレイを企てた時点で「「打者が外野に飛球を打ったことにより引き起こされた一連のプレイ」に対するアピール権は消滅します。しかし、選択肢「C」のアピールは二塁走者が三塁から本塁に突入したからこそ発生した別のプレイと考えると、このアピールは守備側は可能ということになります。 これが例えば、このようなプレイならどうでしょうか? 無死満塁。ライトに大飛球が上がり、三塁走者、二塁走者は正しくタッグアップしたが、一塁走者は打球が抜けると思い込んで走っていた。右翼手が好捕し、一塁走者をアウトにするために一塁に送球した。守備側のこの動きを見た二塁走者は三塁で止まらずに、本塁へ向かった。一塁でのアピールプレイの後に守備側は二塁走者を本塁でアウトにするべく本塁へ送球したがセーフとなった。 上記のプレイの場合は、全てのプレイがライトに上がった「飛球によって引き起こされた一連のプレイ」と言えます。つまり、守備側の本塁への送球も一連のプレイの一部であり、「三塁走者の三塁のリタッチ」「二塁走者の二塁のリタッチ」「二塁走者の三塁空過」いずれのアピール権もまだ残っているということになります。 上記、二つのプレイの違い、分かって頂けましたでしょうか? 説明を書いていて、問題のレベル分けを「初級」にしたのを後悔しました。なんだか、難しいですね。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会