【147回】塁上の走者の妨害(Milb宿題7)

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最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。 プロ野球も日本シリーズが始まってまもなくシーズンも終わり。 昨日は来春発売予定のUDC監修の野球ルール本の撮影に行ってきました。草野球もそろそろシーズン末期ということで来春の出版に間に合わせるにはギリギリのタイミングでした。ご協力頂いた関東草野球連盟様ありがとうございました。 試合を私が実際に審判している様子を編集プロダクションの方に撮影頂いたのですが、見事に後方にファウルが飛んできて胸を直撃しました。体感の衝撃度は以前に使っていたウィルソンのプラチナと同程度だと思います。UNEQUAL社の「(UDC通称)エバンスプロテクター」はウィルソンとは違った素材と方法で球審の体を守るようです。こちら↓の映像はまだ紹介していませんね。音声は英語ですが、見ればなんとなくその仕組みは理解できると思います。 組織としてのUDCに書籍の監修のご依頼を頂くことが増えてきました。書籍の監修を通じて皆様に我々の知識を提供できることをとても嬉しく思っております。 ■クイズ147■ 引き続きマイナーリーグ宿題です。 一死走者三塁。風が巻いている日の試合で打者は三塁ベース付近にポップフライを打ち上げた。三塁走者はベースに戻り、体を屈めて自分の上で打球が落ちてくることに備えて両腕を頭の上に持っていった。三塁手は、塁上で体を屈めている走者につまづいて飛球を捕れず、その飛球はフェア地域に落ちて動きを止めた。打者走者は一塁に達した。 1.三塁走者に故意は無いので守備妨害ではない。ボールインプレイである。 2.三塁走者の妨害である。三塁走者がアウト、打者走者は一塁に残る。 3.三塁走者の妨害である。三塁走者、打者走者ともにアウトとなる。 4.三塁走者に故意は無いので守備妨害ではない。しかしボールが地面に落ちたら早急にタイムを宣告してそれ以上の走者の進塁を許してはならない。 考えてみて下さい。この設問はどのレベルの野球でも起こりえる良問だと思います。 ○● 前回の回答(投手への返球が打者に当たる)●○ 正解は 4.何の規則違反もないのでボールインプレイで試合は進む。 でした。 ≪解説≫ ——————————————————————————– 公認野球規則 6.06(c)打者がバッタースボックスの外に出るか、あるいはなんらかの動作によって、本塁での捕手のプレイ及び捕手の守備または送球を妨害した場合。  しかし例外として、進塁しようとしていた走者がアウトになった場合、及び得点しようとした走者が打者の妨害によってアウトの宣告を受けた場合は、打者はアウトにはならない。 PBUC MANUAL BATTER INTERFERES WITH CATCHER’S THROW BACK TO PITCHER  If the batter interferes with the catcher’s throw back to the pitcher by stepping out of the batter’s box while he is at bat (no runners attempting to advance), it shall not be considered interference under Official Baseball Rule 6.06 (c). In such cases, the umpire shall call “Time” only (no interference). The ball will be dead and no runners shall advance on the play. The interpretation does not, of course, give the batter license to intentionally interfere with the catcher’s throw back to the pitcher, and in such cases the batter shall be called out. If the batter becomes a runner on ball four and the catcher’s throw strikes him or his bat, the ball remains alive and in play (provided no intentional interference by the batter-runner). If the batter interferes with the catcher’s throw to retire a runner by stepping out of the batter’s box, interference shall be called on the batter under Official Baseball Rule 6.06(c). However, if the batter is standing in the batter’s box and he or his bat is struck by the catcher’s throw back to the picher (or throw in attempting to retire a runner) and, in the umpire’s judgment there is no intent on the part of the batter to interfere with the throw, consider the ball alive and in play. 《拙訳》 全ての走者が進塁の企てていなかった場合に打者が打席を出て捕手の投手への返球を妨害してしまった場合は、公認野球規則6.06(c)における妨害とはしない。このような場合は審判は「タイム」の宣告だけを行い守備妨害にはならない。ボールデッドとなり走者は進塁できない。  この解釈は、打者に故意に捕手の投手への返球を妨害して良いと言っている訳ではないことは勿論のことである。打者の行為が故意ならば、アウトが宣告される。打者が四球を得て打者走者になった後、進塁のために打席を出た際に捕手の送球が打者走者、あるいはそのバットに触れてしまったときは、打者走者が故意に妨害したと判断できない限りはボールインプレイである。 打者が打者席から出て走者をアウトにしようとする捕手の送球を妨害した場合には6.06(c)により妨害でアウトになる。 しかしながら、打者が打者席内に立っていて捕手の投手への返球や走者をアウトにしようとする送球にその身体やバットに当たっても、審判の判断において打者の側に故意がなければボールインプレイである。 ——————————————————————————– 野球規則6.06(c)は「打者がバッタースボックスを出るか、なんらかの動作によって」捕手の行為を妨害した場合とあります。ところが設問文中の打者は「普通に打席に立っていた」ので投手への返球が打者にあたっても妨害とはならず、ボールインプレイで試合は進行していくことになります。PBUCマニュアルの赤字にしてあるところが該当箇所です。 しかしながら、以前このクイズでも扱いましたが、塁上に走者がいてそれらの走者が進塁の企てをしていないとき、打者席から打者が出て捕手の投手への返球行為を妨害してしまった場合は、審判はタイムを宣告してボールデッドにしなければなりません。その行為が故意でないと審判が判断した場合には打者をアウトにはせず、走者を元の塁に戻して試合再開です。 マニュアルのこの文章は打者が捕手の行為を妨害してしまった色々な場合についてまとめて述べてあるので是非参考にして下さい。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会 -PR-UDC制作のDVDがクレジットカードでもお買い求め頂けるようになりました!こちら -PR-