【153回】次打者は誰?(その2)

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こんにちは。濱野です。 一昨日の土曜日、来春発売予定の書籍の撮影のために井上と神奈川県平塚市に出かけてきました。撮影に協力してくれたのは西湘パワフルズというヤングリーグ所属の中学生硬式野球チームでした。撮影に先だって監督さんとご挨拶したのですが、その監督さんは小柄な若い女性で、失礼な私は最初は中学生の男の子かと思ってしまいました。(それくらい若い女性だったということです) 撮影の傍目に様子を見ていたのですが、熱心に指導されておられました。この方、何処かでお目にかかったことがある気がしていたら、神奈川県高校野球史上初の女性監督だった方でした。直接お会いしたのではなく、何年か前の新聞の地域欄で彼女についての記事を見て印象に残っていたのでした。このチームは、お目にかかることができなかったヘッドコーチの方も女性の方のようです。 男社会で頑張る女性に感銘を受け、私も頑張ろうと思った週末でした。   ■クイズ152(ビギナー)■ 今回も会員の方から寄せられた質問を皆さんと共有致します。マイナーリーグの宿題で次打者は誰かという問題を取り上げたところ頂いた質問です。 二死二塁、打者はスリーボールを得ていた。次の投球がボールとなった時、二塁走者三盗したものの、結果三塁でアウトになった。打者は四球となったものの、まだ一塁に到達していなかった。次回の先頭打者は 1.四球を得たものの、まだ一塁に到達していなかった打者である。 2.四球を得た打者の次の打順の打者である。 学童野球の現場で審判団で意見が分れてしまった問題だそうです。 考えてみて下さい。 ○● 前回の回答(次打者は誰?)●○ 正解は 3.設問の場合は得点は認められる。 でした。 ≪解説≫ 結論を先に言うと、二死後の四球の場合は、打者走者が一塁に触れ、三塁走者が本塁に触れれば、一塁走者と二塁走者がその後のプレイでどんな形でアウトになっても得点は認められます。 以下、下記に説明を書きますが、読むのが面倒な方は上の結論だけ覚えて下さい。 ——————————————————————– 公認野球規則 7.04(b)(1)【原注】安全進塁権を得た走者が、与えられた塁に触れた後さらに進塁することはさしつかえないが、その行為の責任はその走者自身が負うだけで、たとえ与えられた塁に触れた後にアウトになった場合でも、他の走者の安全進塁権に影響を及ぼすことはない。  したがって、二死後その走者が与えられた塁に触れた後にアウトになり、第三アウトが成立しても安全進塁権がある前位の走者は、そのアウトの後で本塁を踏んでも得点として認められる。 例―二死満塁、打者四球、二塁走者が勢いこんで、三塁を回って本塁の方へ向かってきたが、捕手からの送球で触球アウトとなった。たとえ二死後であっても、四球と同時に三塁走者が本塁に押し出されたので、すべての走者に次塁へ進んで触れる必要が生まれたという理論に基づいて得点が記録される。 6.08(a)【原注】ボール四個を得て一塁への安全進塁権を得た打者は、一塁へ進んでかつこれに触れなければならない義務を負う。これによって、塁上の走者は次塁への進塁を余儀なくされる。この考え方は、満塁のときおよび代走者を出場させるときにも適用される。  打者への”四球”の宣告により、進塁を余儀なくされた走者が何らかのプレイがあると思い込んで塁に触れずにまたは触れてからでも、その塁を滑り越してしまえば、野手に触球されるとアウトになる。また、与えられた塁に触れそこなってその塁よりも余分に進もうとした場合には、身体またはその塁に触球されればアウトになる。 PBUC MANUAL RUNNER FORCED HOME ALLWED TO SCORE AFTER THIRD OUT A runner forced to advance without liability to be put out may advance past the base to which he is entitled only at his peril. If such a runner, forced to advance, is put out for the third out before a preceding runner, also forced to advance, touches mome plate, the run shall score. (See Casebook Comments to Official Baseball Rule 7.04(b)) <拙訳>アウトにされる危険なく一つの塁を与えられた走者は、その与えられた塁を走り越しても良く、その走者だけが危険を負うべきものである。もしその一つの進塁を余儀なくされた走者が、前位の走者(この走者も進塁を余儀なくされた走者)が本塁を踏むより先にアウトにされた場合、得点は記録される。 ——————————————————————– まず、二死満塁で四球の場合、上掲の7.04(b)(1)【原注】により所謂タイムプレイの範疇の対象外となるということは覚えておいて下さい。 頂いた質問は、この「フォースアウトのかたちになりますが、四球による安全進塁権を得た三塁走者の得点は、認められますか?」というものでした。とても良い質問で、私も回答の説明をするのに苦労しました。 確かに一見フォースアウトの形をとっています。もしこれが本当にフォースアウトとするならば、第三アウトがフォースアウトの場合は得点が認められないということになってしまいますよね。 これはフォースアウトのように見えても、単に空過のアウトと考えざるを得ません。 以下、ちょっとこじつけたような説明になりますがご容赦下さい。 塁が詰まっている状況で、四球で一個の安全進塁権が与えられた場合はフォースアウトにはできないということになります。もしそれがフォースアウトだとすると、走者は安全進塁権が与えられていたはずの次塁に達していないという理屈が成り立ってしまうからです。設問の例では一見それがフォースの状態のように見えたとしても、フォースの状態としては扱えないということになります。 四球だとわかりにくいので、例として、走者一塁でボークが宣告された投球を打者が打って、それが遊撃手への凡ゴロとなり、遊撃手が一塁走者の到達前にボールを持って二塁を踏んだ場合を考えてみましょう。 一塁走者が安全に進塁することを保証された二塁に到達していないので、言い換えるとフォースアウトにできないので、ボークのペナルティが生きて走者を進めて打者は打ち直しです。 ですから、上記のような理屈で、二死満塁で押し出しサヨナラ四球のケースでは、上掲6.08(a)【原注】によって一塁への進塁を義務付けられている打者が一塁に触れ、三塁走者が本塁に触れれば試合終了になります。もしこれがフォースの状態だとするなら、全ての走者が次塁に進まなければ試合続行となりますが、そのような運用が為されていないことは経験的に皆様もおわかりですよね? 二死満塁で四球を得た直後の第三アウト成立についてまとめます。 1.タイムプレイの適用対象外である 2.塁が詰まっている状況で四球、走者が与えられた塁に触れなくてもフォースアウトとは言えない。 3.上記の理由からサヨナラのケースでは打者走者と三塁走者のみが次塁へ進塁したら試合終了となる。 ※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。 ★UDC野球ルールクイズ委員会 -PR-初心者のみならず、全審判が共有すべき基本が詰まっています。 -PR-