【184回】前進守備で…

ルール改正により、ルール・クイズ記事投稿時とはルールが変更されている場合がございます。
最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。

UDCで取り組んでいる新規事業に注力していまして、こちらの更新が疎かになり申し訳ございません。もう少しで皆様に発表できると思いますので、楽しみにお待ちください。

さてワールドシリーズが始まりました。皆様の多くは田澤上原コンビのいるボストンを応援されていると思いますが、私は Midwest League で同じフィールドに立った選手たちが活躍しているSt.Louisにも親近感を持って見ています。「どっちも頑張れ」のスタンスです。

まずは、質問が集中しそうなプレイが昨日ありましたね。

【Must C: Conclusion】
http://wap.mlb.com/shared/video/embed/embed.html?content_id=31186613&topic_id=11493214&width=400&height=224&property=mlb

昨日の第三戦のオブストラクションは、濱野の私見としては、「どちらの判定を出したにせよ揉める」ものだったと思います。三塁塁審のジム・ジョイスはボストンの三塁手ミドルブルックス選手が捕手からの送球を後逸した後、進塁してきたセントルイスのクレイグ選手の走塁を妨害したとしてオブストラクション(B項)を宣告しました。実際にクレイグ選手はボールを持っていない野手に躓いたのは事実であり、ルールブックを字面通りに解釈すればやはりオブストラクションのB項が適用できるケースです。

「送球を後逸したといっても野手は消えてなくなることはできない」というボストン側や複数の元選手のコメンテーターの言い分も理解できますし、実際にあのようなケースではオブストラクションを宣告せずに内野手が倒れたのを送球に対する一連の送球に対する守備行為と見て「Nothing!」で流すことも多々あります。(ルールブックに厳密に従えば誤った運用かもしれませんが、このような「ルールの運用の揺らぎ」が存在することもまた事実です)ですので、私自身はこのケースで「Nothing!」として流したとしても、それはそれで間違いとはいえないとも思います。

ボストンのファレル監督も、メディアも比較的冷静にこの判定を受け止めているようで、「判定はともかく、要はサルタラマッキア捕手が良い送球を三塁に放っておけばこんなことにはならなかった」というニュアンスの記事が多かったです。

なので、三塁塁審のジム・ジョイスは「That’s obstruction!」「That’s nothing!」のどちらのコールをしていたとしても、揉める結果になっていたと思います。それでもどちらかの判定を出すのが審判の仕事であり、それが審判の仕事の大変さだと思います。私がこのシーンを見て思ったのは、球審のダナ・デミュースはジョイスのオブストラクションのポイントをよく見ていて、走者がアウトのタイミングでも、自ら得点を認めた手際の良さはさすがだと思いました。日本の審判はすぐに集まりたがる傾向にありますが、お互いの意図が分かっていれば集めずに手際よくトラブルを小さくすることができると思います。

クイズ184(エキスパート)

今回も質問箱からです。

一死満塁で、内野手は前進守備のシフトでした。打者は三遊間にそれほど強くないゴロを打ちました。これを遊撃手は横っ飛びしましたが、打球に触れることができませんでした。しかし、2塁ベースを大きく離塁していた2塁走者は三塁へ進塁しているとき、この打球が足に触れてしまいました。この瞬間三塁塁審は「タイム」を掛けプレイを止めました。この瞬間三塁塁審は「タイム」を掛けプレイを止めました。守備側のチームから「守備妨害」のアピールがあり、4氏審判員で協議し、2塁走者に「インターフェア」を宣告しました。すると、攻撃側はすでに守備会を失った打球に当たったので、守備妨害でないとアピールしてきました。

さて、これは守備妨害なのか否かを皆様考えてみてください。

前回の回答(ホームプレート周辺の接触)

正解は
3.どちらでもない。
でした。

公認野球規則7.08(b)
(b)走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。

打球に関しては守備優先の原則があります。打球を弾いた場合もステップ&リーチの範囲(step and reach、一歩踏み出して体を伸ばして拾える範囲)であれば、それは打球を処理していると見なされて、守備者に接触したり、ボールを蹴ってしまったりすれば守備妨害でその走者はアウトになります。(その例外がいわゆる「出合い頭、7.09(j)【原注】」です。)

しかし、設問のケースは「送球」の話になります。

私が上記のルールの引用で赤字にした個所のように、送球に対する妨害については、審判の判断で走者に故意があったと認めない限り、アウトにはなりません。走者には捕手が送球をファンブルするということは予見不可能ですし、三塁走者は得点するために三本間を走らざるを得ません。

かなりの時間的余裕があるにもかかわらず、走者が故意に捕手が弾いた送球を蹴ったり、それを拾いに行こうとした捕手に体当たりしたということでも無い限り、設問のケースで走者守備妨害でアウトを宣告されることはありません。

なお、どちらでもないので「Nothing」には間違いないのですが、各塁の直近で両腕を広げると「Safe」のコールと紛らわしいので、単に「プレイを流す」のが通例です。

★UDC野球ルールクイズ委員会