【189回】ホームスチールで

ルール改正により、ルール・クイズ記事投稿時とはルールが変更されている場合がございます。
最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

濱野です。

審判をこの春から始める方には、既刊のDVDが必ず役に立ちます。

このクイズを週に一度読むだけで満足するよりも、体系的にルールを学んだ方がより身につくと思います。その教材を用意しました。

下記の「ストライクゾーン」の話はサンプル映像で、スリーフットレーンの話に至っては「試し撮り」です。本編は更に充実しているので良かったらご購入下さい

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クイズ189(ビギナー)

1死走者一塁三塁。打者のカウントは1ボール2ストライクス。投手がセットポジションから投球のために足を上げたとき、三塁走者が本塁にスタートを切りました。ホームスチールです。投球はストライクゾーンを通過しましたが、本塁に滑り込んできた三塁走者に当たりファウルグラウンドを転々としました。

審判として正しい処置を考えて下さい。
「選択肢が欲しい」との声も聞こえてきそうですが、実戦で選択肢が提示されることは絶対にありませんよね。

前回の回答(内野手の最初のプレイに基づく送球とは?)

正解は
一塁走者に三塁を、打者走者に二塁を与える
でした。

(g)二個の塁が与えられる場合―送球が、
(1)競技場内に観衆があふれ出ていないときに、スタンドまたはベンチに入った場合(ベンチの場合は、リバウンドして競技場に戻ったかどうかを問わない)
(2)競技場のフェンスを越えるか、くぐるか、抜けた場合。
(3)バックストップの上部のつぎ目から、上方に斜めに張ってある金網に上がった場合。
(4)観衆を保護している金網の目に挟まって止まった場合。
この際はボールデッドとなる。
審判員は二個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわち、打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者の位置、その他の場合は、悪送球が野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。
【付記】悪送球が打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づくものであっても、打者を含む各走者が少なくとも一個の塁を進んでいた場合には、その悪送球が内野手の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。

前回の出題のポイントは、表題の通りに「内野手の最初のプレイに基づく送球」とは何かということです。

鋭いゴロが二塁手に転がり、二塁手はそれを弾いてしまいました。これが「内野手の最初のプレイ」であるならば、遊撃手がそれを拾って一塁手に悪送球を投げた時点ではすでに一塁走者は二塁に到達していたので、一塁手には本塁が与えられることになりますが、打球を弾いた行為がプレイとならず、遊撃手の悪送球が最初のプレイならば一塁走者には三塁が与えられるのみとなります。

そこでPBUCマニュアルです。

A key phrase in both the awarding of bases (Official Baseball Rule 7.05(g)) and in appeal plays (Official Baseball Rule 7.10) is “play or attempted play.” Note the following official interpretation: A play or attempted play (Official Baseball Rule 7.05(g) and 7.10) shall be interpreted as a legitimate effort by a defensive player who has possession of the ball to actually retire a runner. This may include an actual attempt to tag a runner, a fielder running toward a base with the ball in an attempt to force or tag a runner, or actually throwing to another defensive player in an attempt to retire a runner. The fact that the runner is not out is not relevant. A fake or a feint to throw shall not be deemed a play or an attempted play.

≪拙訳≫公認野球規則7.05(g)の安全進塁権と7.10のアピールについて「プレイあるいはプレイの企て」というのがキーフレーズとなる。下記の公式な解釈を頭に入れておくように。 「プレイあるいはプレイの企て」とは、ボールを持った野手が実際に走者をアウトにしようとする正当な試みのことである。これには、実際に走者にタッグに行くこと、フォースプレイにしようと塁に走ること、走者をアウトにするために他の野手に送球することが含まれる。実際にその走者がアウトになったかどうかは関係ない。投げるそぶりはプレイ、あるいはプレイの企てとは見做されない。

二塁手は打球に対してはプレイをしようとしましたが失敗に終わり、一塁走者に対しても打者走者に対しても「ボールを持った野手」として実際に走者をアウトにしようとする正当な試みは何一つできていません。ということは、二塁手がボールを弾いた行為は野球規則7.05を考える上では、「プレイ」とはみなされません。次の遊撃手が二塁手が弾いた打球を拾って一塁に投げた行為は明らかに打者走者をアウトにしようとする試みであったので、内野手の最初のプレイとなります。悪送球が遊撃手の手を離れた時点では打者走者はまだ一塁に到達していなかったので、各走者は投手の投球当時(「投手の投球当時はいつか」という問題はさておき)から二個の塁が与えられることになります。

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。

★UDC野球ルールクイズ委員会

濱野でした。
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