【194回】良い質問です。

ルール改正により、ルール・クイズ記事投稿時とはルールが変更されている場合がございます。
最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。

スタッフブログに書いたとおり、岩手県の中学生のKボールの試合では、バントが禁止されています。

競技は違いますが、ワールドカップサッカーで残念ながら我が国の代表は予選リーグで敗退しました。もちろん、サッカーに関しては私は門外漢ですから多くを語るべきではないですが、テレビやWEB上の論評で言われるのは、「個の力」の差ということだったと思います。きれいなパスを組織として回しても、最後にはシュートを決める個の力が重要になってくるわけです。

野球も同じだと思います。スコアリングポジションに走者を進めても、無死・一死ならばスクイズで一点をもぎ取ることはできますが、二死の場合はしっかり安打を打たないと得点になりません。投手と打者の「個」の勝負になるわけです。目先の勝負にこだわらず、打者個人の能力向上のために「バント」を禁止した岩手の先生方の考え方に強く共感しました。

脈絡もなく、ともかく、eラーニングは便利です。
この欄が更新されていない間も、皆さん勉強できますよ。

UDCから購入 第1章 打者と打者走者のルール(非会員・一般会員)
【今すぐ購入する】

正会員の方(UDCに年会費を一万円収めて頂いている方)はこちら!
UDCから購入 第1章 打者と打者走者のルール(正会員)
【今すぐ購入する】

クイズ194(エキスパート)

前々回の「故意の妨害と得点」に関して、別の質問を頂きましたので、それを問題に致します。

無死、走者一塁三塁。まだイニングが浅かったので、守備側内野陣は前進守備にはしていなかった。打者は2塁手に凡ゴロを転がした。二塁手はゴロをさばいて、二塁ベース上にいる遊撃手に送球。しかし、送球が左に逸れて、遊撃手の足が離れ一塁走者をフォースアウトに出来なかった。遊撃手はそのまま一塁に送球しようとしたところ、明らかに走路を外れてスライディングしてきた一塁走者に足を掛けられ、一塁に転送することができなかった。三塁走者はゴロが転がると同時に素晴らしいスタートを切っていたので、遊撃手が足を掛けられたときには既に本塁に到達していた。

誰がアウトになりますか?アウトにならない場合、走者にはどの塁を指示しますか? 考えてみて下さい。

前回の回答(そんなことしなくても)

正解は
打者が故意に三塁走者の走路に入った行為
でした。

まず、お断りしておきます。
この打者に悪気があったとは私は思えない(少なくとも彼はチームのためにやったつもりなのでしょう)ので、個人を責めるつもりは全くありません。誤解のないようにお願いいたします。

7.08 次の場合、走者はアウトとなる。
(g)無死または一死で、走者が得点しようとしたとき、打者が本塁における守備側のプレイを妨げた場合。二死であればインターフェアで打者がアウトとなり、得点は記録されない。(6.06c,7.09a,c参照)
【注1】ここにいう“本塁における守備側のプレイ”とは、野手(も含む)が、得点しようとした走者に触球しようとするプレイ、その走者を追いかけて触球しようとするプレイ、および他の野手に送球してその走者をアウトにしようとするプレイを指す。
【注2】この規定は、無死または一死で、走者が得点しようとした際、本塁における野手のプレイを妨げたときの規定であって、走者が本塁に向かってスタートを切っただけの場合とか、一度本塁へは向かったが途中から引き返そうとしている場合には、打者が捕手を妨げることがあっても、本項は適用されない。
たとえば、捕手がボールを捕らえて走者に触球しようとするプレイを妨げたり、投手が投手板を正規にはずして、走者をアウトにしようとして送ったボール(投球でないボール)を打者が打ったりして、本塁の守備を妨げた場合には、妨害行為を行なった打者をアウトにしないで、守備の対象である走者をアウトにする規定である。
【注3】本項は、本塁の守備を妨げたのが打者であった場合に限って適用されるのであって、打撃を完了して打者から走者になったばかりで、まだアウトにならない打者が妨害を行なったときには適用されない。たとえば、スクイズバントした打者が、バントした打球に触れるか、または打球を処理しようとする野手の守備を妨げたために、三塁走者が本塁でのアウトを免れることになったような場合には、打者はすでに走者となっているから、6.05(g)、7.08(b)によって、その打者走者がアウトとなり、ボールデッドとなって、三塁走者を投手の投球当時すでに占有していた塁、すなわち三塁へ帰らせる。
打者が第三ストライクの宣告を受けただけで、まだアウトにならないとき、および四球の宣告を受けたときの妨害に関しては、7.09(a)[注]に示されている。

私がこの試合の球審であったとしても、この打者の行為をもって三塁走者をアウトにはしないとは思います。というのはあまりにも三塁走者のスタートが良かったのと、投球が高く外れたこともあり、捕手は走りこんでくる走者に対して何の守備行為もできなかったからです。表題のとおりこのプレイでは打者は「そんなことをしなくても」本塁に生還できていたはずです。

私は、打者が投球を打ちにいくために、打席の中を動いたようにはどうしても見えません。自分が球審だったら、上記の理由でアウトこそ宣告しないにせよ、何かモヤモヤとしたものが以降の試合に残ると思うのです。

もっと際どいタイミングだったら、三塁走者に対しての捕手の守備行為はできたはずです。そうなったら、三塁走者がアウトになるということをこの打者は知らないはずです。(知っていたらこんなことをするはずがない)。

「野球」においては許される(場合によっては賞賛される)行為であるかもしれませんが、「Baseball」の世界では許されないスポーツマンシップの問題でもあります。

日本の野球の品格を高めるために選手に対しても、啓蒙活動が必要ですね。それも審判の仕事の一つだと思います。各レベルで現場に立っている一人ひとりの審判が行って行く必要があると思います。私も頑張りますので、皆様もご協力願います。

★UDC野球ルールクイズ委員会

濱野でした。
                          !無断転載禁止!