【200回】ボークの「送球」です。

ルール改正により、ルール・クイズ記事投稿時とはルールが変更されている場合がございます。
最新のルールをご確認のうえ、お読みいただきますようお願い申し上げます。

こんにちは。濱野です。

間もなく新年度となります。
皆様からの新規入会及び、会員更新申し込みをお待ちしております。

このルールクイズのコーナーも新年度より何とか月に二回の更新を目指し努力して参ります。

いつもこちらで宣伝しているE-Learningですが、製作会社の(株)キバンインターナショナル様が私のルール口座を新規お申込みの方にサプライズプレゼント(本当に私も知らずにビックリです!)キャンペーンを行っておりますので、第一章の受講がまだの方は、この機会に是非お申込みください。

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そして、(株)キバンインターナショナル様からも、「濱野さん、第二章の制作をそろそろ」という嬉しい催促を頂いたので、またパワーポイントのイラストと格闘中です。もう少ししたら収録を開始できると思います。第二章は「走者と守備のルール」という題材を扱う予定でいます。

また、他にもUDCから近いうちに皆様に新企画を発表できると思いますので、お楽しみにお待ちください。

クイズ200(ビギナー)

質問箱からです。
1死1・2塁。ボークが宣告されましたが、投手はそのまま二塁へ送球。しかしそれを内野手が後逸しボールは外野へ。その間に、2塁走者は、一気に本塁を踏みましたが、1塁走者は、一塁ベースに付いたままでした。審判としてどのような措置を取ればよいでしょうか?

皆さん、考えてみてください。

前回の回答(ビギナー問題ではあるのですが)

正解は
何の処置もとってはならない。
でした。

つまり、プレイ成立です。

想定される反論
その1 インフィールドフライのルールの目的はあまりにも安易なダブルプレイを防ぐことにあるのだから、ダブルプレイが成立してしまったら、後からでもインフィールドフライを宣告し打者のみをアウトにして一塁走者・二塁走者をそれぞれ元の塁に戻すべきでは?

反論に対する解説
ルールブックを見てみましょう。

2.40 infield fly「インフィールドフライ」―無死または一死で、走者が一・二塁、一・二・三塁にあるとき、打者が打った飛球(ライナーおよびバントを企てて飛球となったものを除く)で、内野手が普通の守備行為をすれば、捕球できるものをいう。この場合、投手、捕手、および外野手が内野で前記の飛球に対して守備したときは、内野手と同様に扱う。  
審判員は、打球が明らかにインフィールドフライになると判断した場合には、走者が次の行動を容易にとれるように、ただちに“インフィールドフライ”を宣告しなければならない。また、打球がベースラインの近くに上がった場合には“インフィールドフライ・イフ・フェア”を宣告する。  
インフィールドフライが宣告されてもボールインプレイであるから、走者は離塁しても進塁してもよいが、その飛球が捕らえられれば、リタッチの義務が生じ、これを果たさなかった場合には、普通のフライの場合と同様、アウトにされるおそれがある。  
たとえ、審判員の宣告があっても、打球がファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。
【付記】インフィールドフライと宣告された打球が、最初に(何物にも触れないで)内野に落ちても、ファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。また、この打球が、最初に(何物にも触れないで)ベースラインの外へ落ちても、結局フェアボールとなれば、インフィールドフライとなる。
【原注】審判員はインフィールドフライの規則を適用するにあたって、内野手が普通の守備行為をすれば捕球できるかどうかを基準とすべきであって、たとえば、芝生やベースラインなどを勝手に境界線として設定すべきではない。たとえ、飛球が外野手によって処理されても、それは内野手によって容易に捕球されるはずだったと審判員が判断すれば、インフィールドフライとすべきである。インフィールドフライはアピールプレイであると考えられるような要素はどこにもない審判員の判断がすべて優先し、その決定はただちに下されなければならない。  
インフィールドフライが宣告されたとき、走者は危険を承知で進塁してもよい。インフィールドフライと宣告された飛球を内野手が故意落球したときは、6.05(l)の規定にもかかわらずボールインプレイである。インフィールドフライの規則が優先する。
【注】インフィールドフライは、審判員が宣告して、初めて効力を発する。

インフィールドフライは、私が規則書の文章を赤太字にしたように、「ただちに」下されなくてはなりません。「後からでも」宣告して良いものではありません。下線を引いた所にあるように、インフィールドフライはアピールプレイでは無いので、審判の判断が全てで、その判断は「走者が次の行動を容易にとれるように、ただちに」行われなければなりません。

想定される反論その2

ダブルプレイが完成した時点でボールデッドとし、故意落球で打者だけをアウトにして試合を再開すれば良い。

-6.05 打者は、次の場合、アウトとなる。
(L)無死または一死で、走者一塁、一・二塁、一・三塁または一・二・三塁のとき、内野手がフェアの飛球またはライナーを故意に落とした場合。  
ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。
【付記】内野手が打球に触れないでこれを地上に落としたときには、打者はアウトにならない。ただし、インフィールドフライの規則が適用された場合は、この限りではない。
【注1】本項は、容易に捕球できるはずの飛球またはライナーを、内野手が地面に触れる前に片手または両手で現実にボールに触れて、故意に落とした場合に適用される。
【注2】投手、捕手および外野手が、内野で守備した場合は、本項の内野手と同様に扱う。また、あらかじめ外野に位置していた内野手は除く。

野手が併殺を防ぐために、故意に飛球、あるいはラインドライブを一度グラブ・ミットに当てて落としたのならば上記6.05(L)の規定を適用できるかもしれません。
しかし、問題文には捕手は「危なっかしい様子で落下点に入り、(中略)慌てた様子で地面に落ちたボールを拾って」います。この文章からは捕手が併殺を防ぐために故意に落球したとは伝わってきませんし、百歩譲れば、このルールを適用できる可能性はゼロでは無いですが、実際に併殺が成立した後にタイムをかけるのではなく、審判が、飛球(ライナー)を処理する野手が故意にボールを落としたのを見たらすぐにタイムを掛けなくてはなりません。よってこの反論も説得力を持ちません。

上記のように、確かに、インフィールドフライルールの立法目的はあまりにも安易なダブルプレイを防止することにありますが、だからといって、走者一塁二塁/満塁で飛球が飛んだ時に絶対にダブルプレイが起こらないかといったらそんなことはありません。

審判が「これは容易に捕れる飛球では無い」と判断すれば、敢えてインフィールドフライの宣告を行わない場合もあります。その結果、守備する野手が落球してダブルプレイが成立してしまえば、それは仕方のないことで、審判は結果としてダブルプレイが成立してしまったからという理由で、ルールを遡って適用するということは絶対に出来ません。

絶対にです!

しかし、私が小耳に挟んだところによると、「(インフィールドフライが宣告されていなくても)野手が落球してダブルプレイが成立した場合はダブルプレイは認めず、打者走者だけアウトにして走者を投球当時の塁に戻す」としている影響力のある書物があるようです。 こうなると、毎回の文末に載せている「各団体・連盟において上記と違う解釈を取る場合があります。ご確認ください。」としか、私としては書く他ないのですが、国際野球の舞台においてそのような解釈は絶対に通用しないということだけはその本の執筆者も認識しておられるはずです。

※各団体・連盟において上記と違う解釈をとる場合があります。ご確認下さい。